1995 Fiscal Year Annual Research Report
シアリダーゼの活性化に係るプロテアーゼの性質及び活性化機構について
Project/Area Number |
06672207
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
宇田 裕 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (90013937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 麻由 新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (70235076)
白石 隆幸 新潟薬科大学, 薬学部, 助教授 (40110663)
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Keywords | シアリダーゼ / アミノペプチダーゼ / アマスタチン |
Research Abstract |
ヒト胎盤シアリダーゼが酸性条件下37℃でインキュベーションを行うと著しい活性化を受ける。著者らは先にこの活性化現象がアミノペプチダーゼAの阻害剤であるアマスタチンによって阻害を受けることから、プロテアーゼの関与する可能性を示した。今回、この活性化にプロテアーゼがどのように関与しているのか確かめる目的で、プロテアーゼの分離を試みる一方、活性化に関与する因子についてさらに詳細な検討を行った。 アミノペプチダーゼA活性について、グルタミン酸アミノペプチダーゼおよびロイシンアミノペプチダーゼの両活性を指標にヒト胎盤よりプロテアーゼの分離を試みた。糖たんぱく質画分のセファデックスG-200ゲルろ過により二つのピークが観察され、それらの画分はいずれも両アミノペプチダーゼ活性を示すものの、その比は大きく異なっていた。また、両酵素の至適pHはいずれも7付近にあり、これはシアリダーゼの活性化における至適pH5.0とは異なっていた。しかしながら両プロテアーゼ共に非常に不安定で精製が困難であり、精製酵素を用いたシアリダーゼ活性化への関与について確かめるまでには至っていない。 一方、シアリダーゼの活性化に関与する因子について、緩衝液、陽イオン、陰イオン、アミノ酸などによる影響を調べたところ、陰イオン特に塩素イオンによって濃度依存的に活性化が促進されることを見いだした。また、アマスタチン(塩酸塩)は低濃度ではシアリダーゼの活性化に促進的に作用することが解り、アマスタチンのシアリダーゼ活性化における影響はプロテアーゼ阻害に止まらない複雑な作用を持つことが明らかになった。現在、シアリダーゼ活性化機構については更に詳細な検討を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 斎藤麻由: "シアル酸誘導体によるシアリダーゼ活性の阻害:酵素免疫学的活性の測定" 日本薬学会第114年会講演要旨集. 3. 149 (1994)
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[Publications] 斎藤麻由: "牛肝臓リソゾーム性β-ガラクトシダーゼ複合体の分子構築" 日本薬学会第115年会講演要旨集. 3. 70 (1995)
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[Publications] 竹内信昭: "イトマキヒトデ卵巣に含まれるシアリダーゼについて" 脂質生化学研究. 37. 123-126 (1995)
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[Publications] Yutaka Uda: "Characterization of sialidase from the ovary of starfish, Asterina Pectinifera" Glycoconjugate J.12. 519 (1995)
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[Publications] Toshiharu Anezaki: "Expression of growth inhibitory factor(GIF) in normal and injured rat brains" Neurochem. Int.27. 89-94 (1995)
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[Publications] Makoto Tanaka: "Synthesis of fluorescent 4-methyl-7-thiocoumaryl S-glycosides of sialic acid" Chem. Pharm. Bull.43. 1844-1848 (1995)