1995 Fiscal Year Annual Research Report
EGFによるFocal adhesion kinaseのリン酸化と細胞基頁間接着
Project/Area Number |
06672216
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Research Institution | SETSUNAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 文昭 摂南大学, 薬学部, 教授 (80111764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝本 さゆみ 摂南大学, 薬学部, 助手 (80178920)
伊藤 道恭 摂南大学, 薬学部, 助手 (30201932)
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Keywords | 上皮増殖因子 / フォーカルアドヒ-ジョンキナーゼ / コラーゲン / インテグリン / 細胞基質間接着 |
Research Abstract |
コラーゲンなどの細胞外基質への細胞の接着(細胞基質間接着)は、主としてFocal adhesionと呼ばれる細胞表面の特定の部位で起きており、インテグリン分子群が接着分子として機能している。近年、細胞外基質へのインテグリン分子の接着に伴い、Focal adhesionに局在するチロシンキナーゼ(FAK)のチロシンリン酸化の起きることが明らかになり、細胞基質間接着の制御におけるこのりん酸化の役割が注目されている。平成6年度、私達はEGFがFAKのチロシンリン酸化と細胞接着性の増加を引き起こすこと、示している。平成7年度はEGFのこの二つの活性の間に相関性があるか否かを調べるために、ヒト胃癌細胞株TMK-1と、この細胞から単離した変異株のSc(+)、Sc(-)の3種類の細胞のコラーゲンへの接着能、FAKリン酸化を比較した。いずれの細胞の接着性もEGFにより有意に促進され、その強さはSc(+)>TMK-1=Sc(-)の順番であった。また、いずれの細胞においてもEGFによりチロシンリン酸化が促進され、Sc(+)で特にリン酸化の程度が強く、接着性とFAKのリン酸化に及ぼすEGFの作用の間には相関性のあることが示された。次に、EGF処理によりFAKがどのチロシン残基をリン酸化するか解析した。TMK-1細胞を[^<32>P]orthophosphateで標識後、EGFで処理し、FAK抗体でFAK分子を沈降させた。このサンプルをSDS-PAGEで分離し、その後FAKを含む部分を切り出し、TPCK-trypsinで分解後、生成したペプチドを逆相液体クロマトグラフィーにより分離する事によりリン酸化されるチロシン部位の決定をおこなった。しかしながら。FAK分子に取り込まれる^<32>P量が少ないためリン酸化部位を決定することはできなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K. Takeuchi: "Hepatocyte growth factor(HGF)-induced cell migration is modulated by epidermalgrowth factor through the tyrosine phosphorylation of HGF receptor" Exp. Cell Res.(1996)
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[Publications] K. Nagamine: "Dissociation of c-fos induction and MAP kinase activation from HGF-induced motility response in human gastric carcinoma cells" Eur. J. Biochem.(1996)