1994 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞の機能発現とインテグリン-細胞内骨格系情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
06672226
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
山本 清高 (財)東京都老人総合研究所, 細胞生物, 主任研究員 (90073022)
|
Keywords | 血管内皮細胞 / インテグリン / 細胞内骨格 / 情報伝達機構 / 細胞外マトリックス / 細胞接着 / 血管中膜平滑筋細胞 |
Research Abstract |
1.培養血管内皮細胞の細胞接着における細胞外マトリックス-インテグリン-細胞内骨格系情報伝達機構を調べた。ヒト血管内皮細胞は、初期接着時にはF-アクチン線維を形成し、β1インテグリンを発現をしていた(これを第一次細胞外マトリックス-インテグリン-細胞内骨格システムと呼ぶ)。3〜6時間後、F-アクチン線維は細胞周辺より分解し中心部のみに接着斑が形成されていた。12〜24時間後、V型コラーゲン上の細胞は、第二次の細胞外マトリックス-インテグリン-細胞内骨格システムの形成に失敗し、徐々に基質より離脱した。一方、I型コラーゲン上の細胞は第一次及び第二次システムとも形成し、増殖を開始する。このV型コラーゲンからの細胞離脱は、トロンボスポンジンのような抗接着因子によるのではなく、第二次システムの再構成の失敗によることが判明した。 2.血管平滑筋細胞(SMC)の細胞外マトリックスへの接着様式について調べた。合成型ウサギSMCは、フィブロネクチンにα5β1及びα3β1インテグリンを介して結合する(その細胞接着認識部位の最小単位はRGDである)。一方、I型コラーゲンについては、SMCは変性コラーゲンにはα2β1インテグリンを介して細胞接着認識ペプチド配列DGEAに結合するが、三本鎖の未変性コラーゲンにはα1β1インテグリンを介してRGDでもDGEAでもない配列(おそらく立体構造的な)を認識して結合する。さらに、初期接着にはいずれのマトリックスにおいてもα1β1インテグリンが関与していることが判明した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] K.Yamamoto: "The failure to reconstitute the second extracellular matrix-integrin-cytoskeleton system in human endothelial cells on type V collagen" Artery. 21(2). 76-93 (1994)
-
[Publications] M.Yamamoto: "Growth regulation in primary culture of rabbit arterial smooth muscle cells by plateletderived growth factor,insulin-like growth factor-I,and epidermal growth factor" Exp.Cell Res.212. 62-68 (1994)
-
[Publications] K.Yamamoto: "Cell adhesion receptors for native and denatured type I collagens and fibronectin in rabbit arterial smooth muscle cells in culture" Exp.Cell Res.214. 258-263 (1994)
-
[Publications] N.Fukai: "Human arterial smooth muscle cells derived from patients with moyamoya disease:changes in biological characteristics and proliferative response during cellular aging" Mech.Ageing Dev.75. 21-33 (1994)
-
[Publications] K.Yamamoto: "Role of elastin in the differentiated properties of vascular smooth muscle cells in culture" Connective Tissue. 26. 245-254 (1995)
-
[Publications] 山本清高: "培養動脈内皮細胞と静脈内皮細胞との機能的差異" 細胞. 27. 44-48 (1995)