1996 Fiscal Year Annual Research Report
長期療養施設における家庭復帰にむけた相談業務のあり方に関する研究
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06672256
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Research Institution | TOIN UNIVERSITY OF YOKOHAMA |
Principal Investigator |
細井 啓子 桐蔭横浜大学, 法学部・法律学科, 助教授 (90148031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大道 久 日本大学, 医学部, 教授 (60158805)
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Keywords | 老人保健施設 / 相談業務 / 長期療養 / 家族介護力 |
Research Abstract |
1.長期療養施設の患者・入所者/通所者の相談ニーズの実態調査および医療ソーシャルワーカー(MSW)、看護の責任者など相談業務担当者の相談業務に関する意識調査を実施した。(細井・大道) (1)介護疲れにより在宅介護意欲が薄れた家族は、老人保健施設に多くみられた。在宅療養の条件としては、老人保健施設への再入所を容易にする受入れ体制や、在宅療養にむけて介護者になりうる人や家族への心理的サポートができるバックアップ体制も家庭復帰の促進要因であることが明らかになり、今後ますます相談業務の必要性が求められる。 (2)看護の責任者の指摘で多かったのは、施設内の職員と地域を結ぶコーディネーター的役割をもった相談業務担当者の必要性であった。 (3)家庭復帰ができるかどうかについては、入所継続(あるいは退所)する時点よりはむしろ入院継続(あるいは退院)の時点である程度予測ができることが質問紙調査でも明らかになった。 (4)入院を長期にわたり継続させる背景要因として、医学的管理の必要性が高いために、家族介護力の限界から家族側の受入れがより困難となることが一定程度明らかとなった。 (5)家庭復帰させる上では早期に退院させることが望ましいこと、患者のケアを考えるならば、コーディネーター的役割を担う相談業務担当者であるMSW、ケースワーカーなどをおくことが不可欠であることも確認された。 (6)老人保健施設併設の病院を対象としたが、病院側は家庭復帰のための中間施設である老人保健施設よりも特別養護老人ホームへの入所を選択する傾向がみられ、老人保健施設は特別養護老人ホーム待ち施設ととらえていることが少なくなかった。
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