1994 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子治療への利用を目的とする普遍的プロモーターの開発
Project/Area Number |
06672257
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田代 文 東京大学, 医学部(医), 寄付講座教員 (40136213)
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Keywords | プロモーター / 発現 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
今日、多数のマイクロサテライトマーカーを用いた連鎖解析などを含むゲノム解析技術の進歩にともない、遺伝性疾患における原因遺伝子の同定が次々となされつつある。さらには、遺伝子工学、その他の技術の発展により、正常な遺伝子を成体に導入し、機能回復させる遺伝子治療も実際に行なわれ始めている。そこで、外来性遺伝子を導入する場合、その発現量や発現の場所が重要であり、導入遺伝子の効果を効率良く発揮させるため、細胞や組織で高い発現を示す適当なプロモーターを選ぶことが必要である。これまでに、我々の作製したpCAGGSベクターが様々な細胞で高いレベルで発現することを明らかにしている。そこで、このpCAGGSベクターが生体内でどのような発現を示すかを検討するため、このベクターを用いてトランスジェニックマウスを作製し、発現レベルおよび細胞を検索した。主要組織適合抗原複合体(MHC)クラスIのβ2-ミクログロブリン(BMG)遺伝子をこのベクターに組み込んだDNAを導入したトランスジェニックマウスを作製し、各組織におけるBMGの発現をノーザン法により解析した。その結果、検討したすべての組織で高い発現が認められた。さらに、同様なプロモーターにつないだクラスIL^d遺伝子を導入したトランスジェニックマウスと交配し、ダブルトランスジェニックマウスを作製した。その発生過程における発現を免疫組織化学的手法により解析した結果、胎生15日胚においてクラスIが強く発現していることがわかった。以上、このpCAGGSベクターは、ほぼすべての細胞で強く発現し、また、発現する時期もほぼ恒常的であることが示唆され、遺伝子治療に用いるベクターとして非常に有効であると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Ishii: "Embryonic expression of MHC class l heavy and light chains in transgenic mice" Endocrine J.41. S9-S16 (1994)
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[Publications] F.Tashiro: "Resistance to cyclophosphamide-induced diabetes in transgenic NOD mice expressing I-A^k" Autoimmunity. 17. 181-188 (1994)
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[Publications] J.Miyazaki: "Transgenic models for insulin-dependent diabetes mellitus" ILAR News. 35. 37-41 (1994)
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[Publications] M.Moritani: "Transgenic expression of IL-10 in pancreatic-A cells accelerates autoimmune insulitis and diabetes in non-obese diabetic mice" Int.Immunol.6. 1927-1936 (1994)
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[Publications] Y.Nagata: "The 6 kb upstream region of human transthyretin gene can direct developmental,tissue-specific and quantitatively normal expression in transgenic mouse" J.Biochem.117. 169-175 (1995)
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[Publications] H.Ohgawara: "Embedded-culture of pancreatic B-cells derived from transgenic mouse insulinoma as a potential source for xenotransplantation using a diffusion chamber" Cell.Transplantation. (in press).