1995 Fiscal Year Annual Research Report
3型HETEの生体内代謝物測定法とその臨床的応用に関する研究
Project/Area Number |
06672265
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大山 良治 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30233290)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 隆則 東北大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20199003)
水柿 道直 東北大学, 医学部・附属病院, 教授 (60004595)
|
Keywords | 20-HETE / 19-HETE / GC / ECNICIMS / PFB / BDMS / グルクロン酸抱合 |
Research Abstract |
型HETE(hydroxyeicosatetraenoic acid)の分析を行うための前段階として、血管収縮およびナトリウム排泄に関与する薬理作用が報告されている2型HETE分析法の確立を目標とした。その結果、20-HETEを、PFB(pentafluorobenzyl ester), t-BDMS(tert-butyldimethyl ester)誘導体とし、負イオン検出法であるGC/ECNICIMS(gas chromatography/electron capture negative ion chemical ionization mass spectrometry)での測定方法によると数ピコグラムまで検出可能であり、陽イオン検出法であるGC/EIMS(electron empact mass spectrometry)と比較して、感度が優れていることが判明した。また、GC/ECNICIMSを用いて高血圧患者の尿中20-HETE濃度を測定したところ、正常人尿中20-HETE濃度と有為な差は認められなかった。また、20-HETEの抽出、精製、誘導体化法を応用して、19-HETEの分析法の開発を行い、正常ヒト尿中の19-HETEの分析を行った。ヒト尿中20-HETEの分析では、20-HETEはグルクロン酸抱合体として排泄されていることがすでに判明しているが、今回の研究では、正常ヒト尿中の19-HETEは、グルクロン酸抱合体として排泄されていない事が判明した。なお、HETEの生体内生成に影響を与える薬物を服用していない高血圧患者生体成分からの20-HETE及び19-HETEの分析定量は今後の検討課題であると考えている。また、ω-3系の3型HETEの分析においては、これら2型の20-HETEや19-HETEの分析法を応用して定量法を確立し、2型の20-HETE、19-HETEと3型のω-3系、Δ^<17>20-HETE、Δ^<17>19-HETEのバランスを比較しながら、病態生理学的意義解明を目指したい。
|