1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06672273
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三浦 克之 大阪市立大学, 医学部, 講師 (00183624)
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Keywords | エンドトキシン / ショック / 心拍出量 / 血小板活性化因子 / プロスタグランジン / トロンボキサン / アドレノメデュリン |
Research Abstract |
平成7年度においては、エンドトキシンによって生成が著しく刺激される血管拡張ペプチドのアドレノメジュリンの腎における作用メカニズムについて検討を加えた。その結果、アドレノメジュリンの腎血管拡張は一酸化窒素合成酵素の阻害薬で抑制されることを見いだし、本ペプチドの血管作用メカニズムに一酸化窒素の生成遊離が関与していることが明らかとなった。この結果エンドトキシン投与時に産生が刺激されたアドレノメジュリンは一酸化窒素の生成遊離を介して血管の反応性に影響している可能性を示唆すると考えられた。さらに本年度においてはラットにエンドトキシンを投与し、循環動態を経時的に測定し、血小板活性化因子受容体拮抗薬(PAF)TCV-309、シクロオキシゲナーセ阻害薬イブプロフェンならびにTxA2/PG H2受容体拮抗薬S-1452の効果を検討した。その結果、これら3種類の薬剤はエンドトキシンによってもたらされた心拍出量の低下を抑制し、ヘマトクリットの上昇を抑制する事がはじめて明らかとなり、PAFおよびシクロオキシゲナーゼ代謝物特にTxA2がラットエンドトキシンショックにおいて心拍出量低下を引き起こしていることが明らかとなった。血圧の低下に対してはイブプロフェンやS-1452はエンドトキシン投与後早期にのみ血圧の低下を抑制するが、逆にTCV-309はエンドトキシン投与後3時間で初めて血圧下降を抑制することが明らかとなった。総末梢血管抵抗はエンドトキシンで逆に上昇し、この上昇は3薬剤で減弱したことからこれらの薬剤は心拍出量の低下を抑制することによりエンドトキシンショックを改善することが明らかとなった。さらにエンドトキシンによる頻脈はイブプロフェンのみで消失することを見いだし、TxA2以外のプロスタグランジンが頻脈に関係していることを明らかにした。
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