1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規協力鎮痛ペプチドとモルヒネの鎮痛作用発現機構の違い
Project/Area Number |
06672275
|
Research Institution | Tohoku College of Pharmacy |
Principal Investigator |
桜田 忍 東北薬科大学, 薬学部・薬理学, 助教授 (30075816)
|
Keywords | morphine / dermorphin / μ_1受容体 / μ_2受容体 / 化学的侵害刺激 / 機械的侵害刺激 / naloxonazine / β-funaltrexamine |
Research Abstract |
dermorphin誘導体Tyr-_D-Arg-Phe-β-ala(I)、Tyr-_D-Arg-Phe-β-ala-NH_2(II)及びmorphineの鎮痛作用発現機構の違いについて検討を行なった。三者は既にμ受容体に対して非常に高い親和性を持つことが知られているが、侵害刺激の種類(機械刺激、化学刺激、熱刺激)によってμ受容体のいずれのsubtype(μ_1及びμ_2受容体)を介して侵害刺激抑制作用を示すかについて検討を行なった。 (1)morphineは全ての侵害刺激を抑制するが、機械的侵害刺激抑制作用はμ_1受容体拮抗薬であるnaloxonazineによって拮抗されず、μ_1及びμ_2受容体拮抗薬であるβ-funaltrexamineによって拮抗された。また、化学的侵害刺激に対する抑制作用はnaloxonazineによって不完全ながら拮抗されたことからμ_1受容体の一部を介することが判明した。さらに興味あることに、熱侵害刺激である熱板法における侵害刺激抑制作用は、ほぼ完全にnaloxonazineによって拮抗されたことからモルヒネの熱侵害刺激抑制作用はμ_1受容体を介して発現することが判明した。 (2)dermorphine N末端tetrapeptideである2つのpeptide性鎮痛薬のうち(I)の脳室内投与、脊髄クモ膜下腔内投与、皮下投与による全ての侵害刺激抑制作用は、naloxonazineによって拮抗されることよりμ_1受容体を介して発揮される。しかし、(I)のC末端をアミド化した(II)の脳室内投与による機械的及び化学的侵害刺激抑制作用は、naloxonazineによって拮抗されずβ-furaltrexamineによって拮抗されたことから、機械的及び化学的侵害刺激抑制作用はμ_2受容体を介して発現されるものである。しかし、(II)の脊髄クモ膜下腔内投与による化学的侵害刺激抑制作用はμ_1受容体を介して発揮され、機械的侵害刺激抑制作用はnaloxonazineによって拮抗されずμ_2受容体を介して発現することが判明した。
|