1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06672287
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松野 一彦 北海道大学, 医学部, 助教授 (70102332)
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Keywords | 血小板 / CD36 / コラーゲン / 血小板粘着 / 血小板凝集 / カルシウム |
Research Abstract |
静置系での血小板のコラーゲン粘着の測定系を確立した。洗浄血小板を^<51>Crで標識し、I型コラーゲンをコーティングしたマイクロタイタ-ウェルに静置し一定時間インキュベート後、洗浄しSDSで可溶化しRIカウントすることにより血小板の粘着を測定した。 次に5種類の抗CD36モノクローナル抗体(MoAb)を用いて、上記方法による血小板のコラーゲンへの粘着、血小板凝集、血小板内Ca^<2+>動態におよぼす影響を検討した。このうち2種のMoAb(131.1、131.2)はそれ自体で細胞内Ca^<2+>を増加させ、血小板凝集を惹起し、コラーゲンへの血小板粘着を増強する傾向が認められた。これらの抗CD36MoAbによる血小板活性化は、他の抑制性の抗CD36MoAbによって一部、FcγRIIに対するMoAbによって完全に抑制されることから、FcγRII依存性であるが、CD36抗原も刺激伝達に重要な役割を果たしていると考えられた。 これに対して、これとは異なるエピトープを認識する3種の抗体(131.4、131.5、131.7)は、血小板のコラーゲンへの粘着のうち特にMg^<2+>非依存性の粘着を濃度依存性に抑制した。しかしこの抑制はCD36陰性血小板では明らかではなかった。またこれらの抗体は血小板のフィブリノゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチンなどの他の接着蛋白への粘着に対しては影響を与えなかった。この3種のMoAbは、多血小板血漿(PRP)および洗浄血小板浮遊液(WPS)でのコラーゲン凝集を抑制し、コラーゲン刺激による細胞内Ca^<2+>の増加を濃度依存性に抑制した。しかしPRPでのADPおよびエピネフリン凝集、WPSでのトロンビン凝集に対しては影響を与えなかった。以上より血小板のCD36は血小板-コラーゲン反応に関わっていると考えられた。 健常人101例、各種疾患患者20例についてフローサイトメトリーを用いて血小板表面のCD36を測定した。健常人のうち6例(5.9%)でCD36が陰性であり、ITP症例の一部でCD36発現の低下がみられた。現在CD36陰性例と陽性例での血小板機能について検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松野一彦: "血小板活性化の検出" 臨床病理. 43(印刷中). (1995)
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[Publications] Tandon,N.A.: "Leukocyte Typing V." Oxford Press, 印刷中 (1995)