1994 Fiscal Year Annual Research Report
血栓形成過程におけるフイブロネクチンの役割に関する基礎的検討
Project/Area Number |
06672299
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
毛利 博 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80119271)
|
Keywords | フィブロネクチン / 合成ペプチド / 血小板 / GPIIb / IIIa / RGD非依存性 |
Research Abstract |
血栓形成には,血小板とフィブリノゲンあるいはフォン・ウィルブラント因子との結合が重要であると考えられている。近年,接着因子のひとつであるフィブロネクチンにもGPIIb/IIIaを受容体として血小板と結合し,血小板凝集を阻害することが明らかにされた。その結合ドメインに関しては,RGD配列以外に,フィブロネクチンのC末端側に存在するヘパリン結合ドメインを含んだディスパーゼ酵素処理によりえられた29kDaフラグメントと,細胞結合ドメインに存在するRGD非依存性結合部位(アミノ酸残基 1359-1436)があることが本施設ならびに他施設より報告されている。本年度は,アミノ酸残基 1359-1436に存在するGPIIb/IIIa結合ドメインの局在を解明するため,12個のアミノ酸で構成される合成ペプチドを作成し,フィブロネクチンとGPIIb/IIIaとの結合に対する影響を検討したところ,2個の合成ペプチド(アミノ酸残基1371-1382,1377-1388)がこの結合を濃度依存性に阻害し,さらにフィブリノゲンとGPIIb/IIIaの結合およびADPによる血小板凝集を阻害し,この領域にGPIIb/IIIa結合ドメインが存在することを明らかにし,この成果を『Peptides』に投稿し,受理され現在印刷中である。また,29kDaフラグメントに関しては制限酵素であるlysylendopeptidaseで切断し,9個のフラグメントを作成し,不足した部分については合成ペプチドを作成した。現在血小板凝集におよぼす影響を調べ,フィブロネクチンあるいは29kDaフラグメントとGPIIb/IIIaとの結合に対する阻害効果を検討中であり,次年度には明らかにすることが可能となるものと思われる。
|
Research Products
(1 results)