1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト小腸アルカリ性ホスファターゼと特異的に結合する血液型依存性糖タンパク質の解明
Project/Area Number |
06672302
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
菰田 二一 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10049835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 岩雄 埼玉医科大学短期大学, 臨床検査科, 助教授 (30153688)
坂岸 良克 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90049768)
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Keywords | 小腸アルカリ性ホスファターゼ / 特異的結合タンパク / 血液型依存性 / 精製法 / Triton X-100 / 高分子型アルカリ性ホスファターゼ / 分子量 |
Research Abstract |
ヒト血清中に存在する小腸アルカリ性ホスファターゼ(ALP)と特異的に結合する血液型依存性糖タンパクの精製法は、アプロチニンやPMSF等のプロテアーゼ阻害剤の存在下で、ゲルR滬過法及びDEAE-セルロース・クロマトグラフ法でヒトO又はB型血清より試行してみたが、1l当たり約1kgの極微量しか存在しておらず、分子量が30kDa前后であった。次にヒト小腸ALPを、抗ヒト小腸ALPモノクローナル抗体アフィニティー・クロマトグラフ法で精製し、これをCH-セファロースに結合させて小腸ALP/セファロース・アフィニティーカラムを作製し、小腸ALP特異的結合糖タンパクの精製を試みた。しかしながら、小腸ALPと結合した特異的結合糖タンパクは、塩,弱アルカリや酸で溶出されず、ブロメラインやパパイン処理によって溶出された。つまり、小腸ALPと特異的結合糖タンパクの反応は、不可逆反応に近く、この方法での精製はかなり難しいと考えられた。一方、小腸ALP特異的結合糖タンパクは、小腸ALPと結合する際にTritonX-100等の界面活性化剤の存在下で、高分子小腸ALPに変換され易くなった。また小腸ALP特異的結合糖タンパクは、血液型B及びOでLewis分泌型の血清中により多く,非分泌型の血清中に少ないことが解った。高分子化されたヒト小腸ALPの分子量が約750kDaであり、特異的結合タンパクを介して小腸ALPが4〜5分子会合していることが予測された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yamagishi,F.,Komoda,T.,Alpers,D.H.et al.: "Clearance of surfactant-like particle proteins from circulation in rats." Am.J.Physiol.266. G596-G605 (1994)
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[Publications] Yamagishi,F.,Komoda,T.,Alpers,D.H.: "Secretion and distribution of rat intestinal surfactant-like particles after fat feeding." Am.J.Physiol.266. G944-G952 (1994)
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[Publications] 菰田二一,他: "小腸様ALPの構造と臨床応用" 生物物理化学. 38. 167-171 (1994)
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[Publications] 渡辺伸一郎,菰田二一,他: "消化器疾患における高分子型ALPの臨床的意義" 生物物理化学. 38. 161-166 (1994)
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[Publications] Koyama,I.,Komoda,T.,Sakagishi,Y.,et al.: "Carbohydrate-mediated recognition of a circulating placental alkaline phosphatase-immunoglobulin M complex." Clin.Chim.Acta. 230. 9-19 (1994)
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[Publications] 菰田二一: "アルカリ性ホスファターゼ(ALP)研究の現状と腎疾患への応用" 腎不全. 6. 13-20 (1994)
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[Publications] 菰田二一,他: "日本臨床(増刊号広範囲血液・尿化学検査、免疫学的検査)" 尿中アルカリ性ホスファターゼ, 6 (1995)