1994 Fiscal Year Annual Research Report
Cat scratch disease血清学的診断方法(IP,ELISA)の開発
Project/Area Number |
06672307
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
荒島 康友 日本大学, 医学部, 助手 (10167231)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 俊一 日本大学, 医学部, 講師 (30102479)
熊坂 一成 日本大学, 医学部, 助教授 (20096803)
河野 均也 日本大学, 医学部, 教授 (60059368)
|
Keywords | Zoonosis(人畜共通感染症) / 猫ひっかき病(CSD) / Afipia felis / 血清学的診断 / ELISA / IP |
Research Abstract |
平成6度の研究経過は、つぎの通りである。10月時点ではAfipia felisの猫の口腔内、爪からの分離は20頭の検討結果、今だA.felisの分離に成功しておらず、継続して標準菌株を輸入し培地、培養条件の検討中である。また、臨床分離株の樹立は、患者の発生は存在するものの、培養に適した有熱期ではなかったため、患者からの分離には成功していない。しかし、患者の発生が有ったため、Cat.scratch disease(CSD)の患者血清、およびCSDの疑いのあった患者の血清の採取保存を現時点までに合計して8検体分保存している。以上のこと、また、海外の医学論文中に猫からのA.felisの分離についての報告がないことから、猫の口腔内等からの本菌の分離はかなり困難なことが確認された。 また、IP法、ELISA法の基礎的検討を行なっている。しかし、先に述べたように典型的な患者が少ないことから、家兎で抗血清の作製中である。さらに、平成7年度の血清学的検討のために、平成6年の感染症誌に投稿したCSDの論文中のデータで、CSDに罹患している可能性の高かった獣医師、および獣医看護師からそれぞれ約6、000人、約2、000人を対象に血清の採取および収集の準備に取り掛かっている。 当初の計画した研究目的のうち、猫の口腔内からのA.felisの分離の研究方法については基本的には、論文に従い行なっているので大きな誤りは無いと考えている。しかし、実際に菌株の分離がなされないことから、検討し追試中である。本年度としての到達度は低かったものの、平成7年度の検討項目であるIP法、ELISA法の基礎的検討が行なえたので、総合的な到達度は満足のいくものと我々は考えている。また、学問的には対象とする猫の年齢が本来1歳以下であることから、実際検体を採取する上で、年齢的な面からの菌の保有率の検討も必要と思われた。
|