1994 Fiscal Year Annual Research Report
行動制限を受ける小児患者のストレス認知・コーピングとケア環境との関連性
Project/Area Number |
06672322
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村田 恵子 神戸大学, 医学部, 教授 (90105172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 珠実 神戸大学, 医学部, 助手 (00235467)
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Keywords | 行動規制 / 心理的ストレス / コーピング / 小児患者 / 運動制限 / ケア環境 / 支援 |
Research Abstract |
本研究は、医療上の行動規制を受ける小児患者の心理的ストレスとコーピングをケア環境との関連で明らかにし、ストレス軽減と効果的なコーピングを支援する方法を検討することを目的とした。平成6〜7年の2年間の計画で開始し、本年度は初年度計画に基づき、以下の点を検討した。 1.研究方法の再検討と精選:先行研究の評価と関連文献の検討に基づき、本研究の概念モデル(LazarusらのTransactional modelを修正)を作成し、データ収集方法として、小児のケア環境と生活行動、ストレス認知・コーピングに関する(1)観察記録(ビデオ録画法含む)、(2)小児用面接質問紙、(3)看護婦・親用質問紙を構成した。また生理化I(抑鬱)を加え、パイロットスタデ-を実施し、この方法の有効性を確認した。 2.データ収集の開始と分析結果:運動制限(牽引による歩行禁止)を要する幼児・学童を対象にデータ収集を開始し、現在、進行中である。これらの分析結果から、ケア環境はベット中心の生活空間で、対人関係は主に成人(医療者・親)、ケア内容は直接援助が多く、小児の活動は受動的であった。ストレス反応は、カテコラミンおよび170HCSが上昇し、運動制限に対する小児自身のストレス認知は看護婦・母親の評価より大きく長期に持続した。コーピング行動は、遊びと他者の支援(看護婦・親の認知とも一致)が有効とみなされたが、他に従う・ファンタジ-・我慢・頑張る等の精神的な適応努力も認められた。ストレス度とコーピング方法は、仲間・家族・看護者(保母含む)との関わり、遊具、登校(園)機会等による相違が認められたが、支援の提供方法と小児自身の受けとめ方による影響が示唆された。今後、これらについて、データ(隔離による行動規制状況を含む)数を増し、ビデオおよび観察記録の詳細な分析を加え、明らかにする予定である。
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