1994 Fiscal Year Annual Research Report
尿失禁女性の性の充実を促すための看護モデルの開発に関する研究
Project/Area Number |
06672331
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
小松 浩子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60158300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 久美 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (60226503)
清 真佐子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (10245946)
渡邊 真弓 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (80201234)
田村 正枝 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (30155270)
小島 操子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (50035333)
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Keywords | 尿失禁 / セクシュアリティ / ストレス・コーピング |
Research Abstract |
「尿失禁女性の性の充実を促すための看護モデル」作成のための基礎的資料を得るために、尿失禁外来に通院する30歳以上の尿失禁女性88名を対象に、尿失禁によるセクシュアリティへの影響についての実態を、質問紙ならびに面接法を用いて多面的に総合的に検討を試みた。その結果、尿失禁により性生活に何らかの影響を受けていると答えたものは26%であった。性生活への影響の有無と関連要因について分析した結果、性生活への影響あり群はなし群に比して、尿失禁の重症度が有意に高く、また、尿失禁に伴う心理的影響および生活への影響が有意に高い傾向にあった。性生活への影響を認めた20名のセクシュアリティに関するストレスフルな出来事の内容は、「性交時の尿失禁に対する不安・恐怖」「性生活に対する負担感」「性的な欲求や興奮の減少」「身体像、身体感覚の変化」「社会的な相互作用の変化」などに分類された。これらに対するコーピングについては、「夫・パートナーに打ち明け相談・協力を求める」「治療・指導をうける」などの直接解決的コーピングに比して、「性生活を避ける」「夫・パートナーの誘いにしかたなく応じる」「拒否できない自分を責める」など消極的感情調整型コーピングが多く用いられていた。これらの結果と文献的考察に基づいて31項目からなる「尿失禁女性のセクシュアリティへの影響に関する質問紙」を作成した。この質問紙の構成概念妥当性を検討するために、尿失禁やセクシャリティに通じていると考えられるエキスパートナース20名を被験者に内容分析を行った。意味内容の重複のために80%以上の一致率が得られなかった項目について内容の精選を行い37項目に修正した。さらに修正した質問紙の依頼性と妥当性を検定するために、20歳以上の既婚の尿失禁患者200名を対象に質問紙調査を実施し、現在その結果を分析中である。来年度は、以上の結果に基づき「尿失禁女性のセクシュアリティの充実をめざした看護モデル」を作成し、その効果を検討する予定である。
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