1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06672341
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
大竹 登志子 (財)東京都老人総合研究所, 看護学部門, 研究員 (30213755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 章 日本歯科大学, 歯学部・高齢歯科学, 講師 (60162921)
森 真由美 (財)東京都老人総合研究所, 生化学部門, 研究員 (50110698)
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Keywords | 高齢者 / 免疫機能低下 / 白血病 / 悪性リンパ腫 / 口腔内細菌 / 口腔ケア |
Research Abstract |
今年度、東京都老人医療センター血液科入院中の、白血病と悪性リンパ腫の免疫機能低下患者で自分の歯のある10名につき調査が可能であった。 対象者の口腔内の状態と口腔常在菌数の変化を、入院時、化学療法中、退院前に観察した。歯の状態として歯冠部と歯根を、歯周組織についてはポケットの深さと付着の喪失を観察した。プラークの付着状態はオレリーのプラークインデックスにて記録した。 口腔常在菌は10mlの滅菌蒸留水で洗口した試料で培養し、細菌数と細菌の種類を把握した。またパラフィン咀嚼刺激唾液液をそれぞれの観察時期に採取した。 その結果、歯冠部う蝕の発生は3名に、歯冠う蝕は4名に見られた。プラークの付着状態と口腔常在菌は観察時期を通じて顕著な変化は見られなかった。 今回の観察で興味深いことは、う蝕があった人と、ポケットが深くなった人は、いずれも入院前にう蝕や歯周疾患が存在し、さらに化学療法中にパラフィン片を咬むことができない人たちであった。このことより、免疫機能の低下した高齢者には加療前に口腔環境を改善しておくことが化学療法中の口腔内悪化を予防できると考察された。 来年度は、この結果をふまえて口腔ケアログラムを作成する。
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