1995 Fiscal Year Annual Research Report
労働時間の短縮による夫婦の生活時間バランスの変化に関する研究
Project/Area Number |
06680021
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
平田 道憲 広島大学, 教育学部, 助教授 (30111660)
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Keywords | 労働時間 / 生活時間 / 週休二日制 / 夫婦関係 |
Research Abstract |
今年度は、夫婦を対象とする生活時間調査を実施した。調査の概要は次のとおりである。母集団:広島県東広島市旧西条町に居住する夫婦(夫婦の年齢がともに18歳以上65歳未満)。標本数:160世帯(320人)。抽出法:二段階確率比例抽出法。有効回収数:113世帯(回収率70.6%)。調査期日:1995年12月1日(金)および2日(土)。調査方法:配布回収法。調査内容:夫婦の二日間の生活時間および関連する事項に関する質問紙。生活時間については日記法を用いた。主な研究成果と今後の研究の展開に関して、次の三点にまとめることができる。 1 週休制度による有職の夫、有職の妻、専業主婦の平日(金曜)および土曜の生活時間配分の傾向は、昨年度の研究成果で得られた1991年社会生活基本調査からみた傾向とおおむね類似していた。すなわち、平日の夫の労働時間は週休二日の方が週休一日より長く、専業主婦の家事労働時間は、夫が週休二日の場合においても短くないことなどが明らかになった。 2 夫が週休二日の場合、夫の土曜の家事労働時間が長い場合、妻の土曜の家事労働時間が短くなる傾向がある。この傾向は妻が無職である場合よりも有職である場合に強くみられる。週休二日の夫の家事労働が平日と比べて増加しない場合には、妻の家事労働時間が土曜に増加するケースもみられた。 3 労働時間の短縮が進みつつあり、このことは、労働者のゆとりを増加させている。しかしながら、労働時間短縮の効果は有職の夫、有職の妻、専業主婦ではその大きさが異なっており、そのバランスの取り方を考えることは、家庭管理学の分野において今後も追究すべき課題である。
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