1994 Fiscal Year Annual Research Report
家族の自立的生活を可能にする住居計画学的研究・生活管理の視点から
Project/Area Number |
06680032
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
町田 玲子 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (10046493)
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Keywords | 生活管理 / 家族の自立 / 家事参加 / 主婦の個人的空間 / 家事労働 / 地域社会 / 高齢化 / コミュニケーション |
Research Abstract |
○本研究は、(1)生活管理の視点から、これからの家族の自立的生活を可能にする住居計画のありかたを明らかにすることを目的としている。 本年度は、A)女性の主体的生活を保障するための住居計画的アプローチとして、主婦の個人的生活空間についての要求程度と設計計画上の具体的条件を明らかにした。B)これからの家族のコミュニケーション手段として家事労働に着目し、家族が関わりやすい台所空間のありかたについて明らかにした。C)都市近郊に住居する高齢者の地域社会における自立のありかたについて考察を行なった。 ○研究方法は、A、Bについては、郵送によるアンケート調査を行った。本調査ではライフステージの変化に視点を置いているため、調査対象の年齢層を幅広くする必要があり、京都府立大学卒業生(昭和27年度から平成4年度までの生活科学科、食物学科、住居学科)1526人を対象とした。回収数は809、回収率は53%、有効サンプル数は307である。調査期間は1994年10月22日〜10月31日であった。Cについては、京都市北部に住居する高齢者に対して、アンケート調査、ならびに直接訪問してヒヤリング調査を行なった。 その結果、約6割が個人的空間を所有しており、主婦自身の主体的な生活の場を確保する傾向にあること、一方、台所空間は「主婦の場」というよりコミュニケーションの場として意識がめばえており、とくに高齢者夫婦においてその意識が高いこと、などを導き出した。これらに基づき、主婦の個人的空間、および台所空間の試案を出している。高齢者の地域社会における自立意識は、生活的自立度が高いほど社会的自立意識が高いという結果であった。今後はこれらの結果を踏まえて、具体的に進めていく予定である。
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