1994 Fiscal Year Annual Research Report
微小管形成系を用いての大麦分級粉中細胞機能関連物質の検索とその精製
Project/Area Number |
06680048
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
土井 裕司 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助教授 (50106267)
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Keywords | 大麦分級粉 / チューブリン / 微小管形成 / GTPase活性 |
Research Abstract |
本研究の背景は、次の2点にある。第一は、社会の高齢化に対する新しい食品の開発が求められている点である。第二には、現在大量に生産されており、しかも安価であるが、用途が限られている食品素材である大麦を大いに活用しようという点である。従って、本研究の目的は、大麦穀粒から老化細胞を活性化する物質を検索し、それを精製しようというものである。 そこで、今年度の研究計画は、細胞活性化の指標として、細胞機能蛋白質であるチューブリンのGTPase活性を取り上げ、その酵素活性賦活成分を大麦分級粉から検索することであった。 試料大麦は、平成3年に岡山県で生産された米沢もち2号(6条、裸大麦)で、その穀粒は16段階に分級処理された。チューブリンは、牛脳からLeeらの硫安分別とイオン交換法、Mgイオン沈殿法とを組み合わせた方法で調製された。そのGTPase活性はアッセイ系に加えられたGTPがGDPに加水分解されるのを利用して、生じたGDPをHPLCで定量することによって測定した。 16種の大麦分級粉から水抽出画分を凍結乾燥したものを初期試料として、チューブリンのGTPase活性への影響を検討した結果、分級粉No.5およびNo.9に賦活活性を見出した。ここで今年度の研究計画の最大要点を達成することができた。 次いで、その賦活成分の精製に取り組んでいる。そこでは、現在までの多くの機能性食品の中では、ペプチドが多く検討されていることから、精製法としてペプチドの精製を主として行うこととした。その結果、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、再ゲル濾過クロマトグラフィーを用いて部分精製に成功している。
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