1995 Fiscal Year Annual Research Report
微小管形成系を用いての大麦分級粉中細胞機能関連物質の検索とその精製
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06680048
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
土井 裕司 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助教授 (50106267)
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Keywords | 微小管 / 細胞機能 / 大麦 / チューブリン / 分級粉 |
Research Abstract |
平成6年度中に、準備した16種の大麦分級粉の内、No.5およびNo.9に、チューブリンのGTPase活性を賦活する成分が存在することを見いだした。 そこで、今年度の予定はその賦活成分の精製であった。 実施計画に示したように、各種のクロマトグラフィーを用いて精製を進めた。 本研究では、食品として利用することを念頭に置いているので、成分が消化され吸収された後に活性を有しており、しかも抽出が容易でなければならないことから、水溶性低分子物質を想定した。 活性として、チューブリン濃度1.0mg/ml,添加物濃度2.0mg/mlで10mM phosphate buffer, pH7.0, containing 0.1mM GTP, 10mM MgCl_2 and 3.4M glycerol中でチューブリンのGTPase活性の賦活活性を測定した。チューブリンは牛脳から調製した。分級粉は、1994年西日本産甘木2条大麦より得た。分級粉2gに精製水60mlを加え、室温で30分抽出した後、遠心(10,000rpm, 2℃, 20min)し、その上清の凍結乾燥によって抽出物を得た。抽出物をSephacryl S-200HRゲル濾過クロマトグラフィーに掛けたところ、4つのピークが得られ、その3番目のピーク(B')に活性が認められた。次のDEAE-Sephadex A-50イオン交換クロマトグラフィーでは、ピリジン-酢酸緩衝液でpH6.5からpH3.1へのpH変化によるステップワイズ法で溶出した結果、pH5での溶出画分に賦活活性が認められた。更に、そのBio-Gel P-4ゲル濾過クロマトグラフイ-で4画分が得られ、そのうち2番目の画分に強い賦活活性を認めた。この画分は糖を含むペプチドであった。
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