1994 Fiscal Year Annual Research Report
現行医療制度下における生活者の医療関係費負担-ライフコース視点からの分析と推計
Project/Area Number |
06680052
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Research Institution | Kawamura College |
Principal Investigator |
横田 明子 川村短期大学, 生活学科, 助教授 (00210609)
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Keywords | 現行医療制度 / 患者負担 / 医療関係費 / ライフコース |
Research Abstract |
本研究の目的は,一人の生活者が一生涯をおくる過程で疾病を患い加療する場合にかかる医療関係費に関して,ライフコースを通した負担状況を明かにし,生活者が準備すべき生活設計上の方策を示すとともに,望ましい医療供給制度および医療保険制度を提示することにある。研究は継続中であるが,本年度は以下の実績を得た。 各国の医療保障制度,医療供給体制,医療費分析,世帯の保健医療費,生活設計についの文献および資料の検討を行った。各専門家から,医療保障制度や各国およびわが国の医療供給体制、医療現場での実態について教示を受けた。厚生省実施の各種の医療に関する調査結果などから、患者としての生活者の医療費負担の実態を分析した。この結果を用いて、男女別のライフコースを通した医療費負担の推計を行なった。その結果,男女別,年代別に負担額の大きな差異がある実態が明らかになった。負担の内容を検討すると,現行の医療供給体制および医療保険制度の改良すべき諸点が判明した。また,患者が負担している付添い看護費用および室料差額の実態調査実施の準備としての事前調査を行ない、本調査の検討をした。特に高齢者の負担が極めて大きいことが推察された。 本研究の実施中に社会保険診療報酬の改訂が実施されたが,今後この改訂内容が患者の医療関係費負担にどのような影響を及ぼすのかを見定め,考察の要件として加えていく必要があると思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 横田 明子: "医療サービスに係わる消費者負担" 日本消費経済学会年報. 第16集. (1995)
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[Publications] 横田 明子: "医療保険と患者負担" 川村短期大学研究紀要. 第15号. (1995)
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[Publications] 金子泰雄・西村林編: "現代消費・生活経済辞典" 税務経理協会, (1995)