1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680053
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Research Institution | Yamawaki Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
小関 正道 山脇学園短期大学, 助教授 (60248987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 敦子 山脇学園短期大学, 助教授 (70014363)
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Keywords | 電解処理水 / 生理効果 / 脂質代謝 / カリウムイオン / 短鎖脂肪酸 |
Research Abstract |
1、方法 電解処理水(アルカリ性)のラットに対する生理効果を、水道水を対象にして検討した。20匹のラットを10匹づつ2群に分け、飼料の他はそれぞれ電解処理水または水道水を与え、1カ月間飼育し、飼育中の体重増加、飼料および水摂取量、血漿コレステロール濃度を測定した。飼育終了後解剖し、肝臓、腎臓、盲腸は重量を測定し分析時まで凍結保存し、解凍後、肝臓はコレステロールとトリグリセリッド、盲腸は内容物の短鎖脂肪酸濃度を測定した。血液は解剖後直ちに生化学検査を実施した。 2、結果 飼料及び水摂取量、腎臓及び盲腸重量には差がなかったが、電解処理水群の肝臓重量が減少した。血清の生化学検査では、鉄、リン脂質、トリグリセリッド、尿素窒素、総胆汁酸、カリウム濃度が低下した。肝臓のコレステロール及びトリグリセリッド値には変化がなかった。盲腸内容物中の乳酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸濃度については酪酸のみ減少したがその他には変化がなかった。 3、考察 電解処理水摂取による血清のカリウムと脂質濃度の低下は、カリウムがインスリン分泌と関係していることから、電解処理水摂取が血清カリウウ濃度を変動させ、その結果インスリン分泌が変化し、それが脂質代謝に影響し、血清の脂質濃度が低下したものと考えられる。盲腸内短鎖脂肪酸濃度が電解処理水摂取により低下しなかったことは、電解処理水が腸内環境に悪影響を及ぼしていないものと考えられる。血清鉄濃度の減少は電解処理水中の溶存鉄濃度の減少と関連しているものと考える。肝臓重量、血清尿素窒素濃度の減少については更に検討を加える必要がある。
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