1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680061
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
灘本 知憲 滋賀県立短期大学, 食物学科, 教授 (60149523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦部 貴美子 滋賀県立短期大学, 食物学科, 助手 (50099496)
川村 正純 滋賀県立短期大学, 食物学科, 教授 (10074048)
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Keywords | ブタ / 小腸 / 保存 / 悪臭 / 抑臭作用 / メチルメルカプタン / 抗菌効果 |
Research Abstract |
1.ブタ小腸保存中の悪臭発生の機構について:ブタ小腸保存時の悪臭発生の主原因が、嫌気性菌の著しい増殖に伴うメチルメルカプタンの発生であることを、滅菌処理したブタ小腸試料への嫌気性菌群の接種による再現実験により立証した。またメチルメルカプタン産生能を持つ菌(菌種はKlebsiella 1種、Streptococcus2種、およびProteus 1種、いずれも通性嫌気性菌)を分離、同定することができた。これらの結果より、研究目的のひとつであるブタ小腸保存中の悪臭発生の機構をほぼ明かにすることができた。 2.抑臭に有効な添加物の作用機作について:抑臭有効成分の分離・精製のための準備段階として、分離同定したメチルメルカプタン産生菌を用いた抗菌性試験系と、ガスクロマトグラフ(FPD検出器)によるメチルメルカプタンに対する除臭効果の試験系を確立した。これらふたつの試験系により、天然物あるいはそれらの抽出画分について抑臭効果の簡便な確認実験を行うことが可能となり、廃糖蜜については抗菌力から、またドクダミについては除臭力から抑臭効果の検討を行ってきた。今後、主としてドクダミについて抑臭有効成分の分画・精製そして同定へと研究を進めていく。 3.他の臓器の保存臭成分について:ブタ小腸で得られた知見を基に、ブタ大腸、ウシ小・大腸の保存臭成分の同定を行った結果、一日保存後の揮発性成分はメチルメルカプタン、エタノールなど共通した成分が認められ、また微生物叢についてもブタ小腸と同様の増殖傾向を示した。したがってブタ小腸の保存臭に関するこれまでの知見と実験手法が、ブタ大腸、ウシ小・大腸の保存臭発生機構とその抑臭の研究に適用できる可能性が示唆された。
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