1994 Fiscal Year Annual Research Report
小中学校生徒における成人病予防のための集団力学的栄養指導の方法と効果に関する研究
Project/Area Number |
06680067
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Research Institution | Nakamura Gakuen University Junior College |
Principal Investigator |
林 辰美 中村学園短期大学, 食物栄養科, 助教授 (40149646)
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Keywords | 児童・生徒 / 健康教育 / 成人病予防 / 栄養指導 / グループダイナミックス |
Research Abstract |
小・中学校の児童・生徒を対象とした健康教育システム開発のための実践研究を通して、健康教育カリキュラムにおいて成人病予防対策を具体化することを目的としている。 1.栄養教育教材の開発 学齢期の発達段階に応じた、適切な栄養摂取の習慣化を可能にするためのヴィジュアルな栄養指導の教材開発をほぼ完成させた。パソコンを利用し、主要なデータベースは年齢、性別、生活活動強度別の栄養所要量と日常食約170種類の栄養価算定値である。メニューを選択すると、円形レーダーチャートで画面表示を行い、累計で「栄養バランス」判定を行うシステムである。 2.研究対象の抽出 平成6年度の唐津・東松浦郡小児成人病予防健診(小学生:1814名、中学生:2015名)において、肥満度の平均は小学1年生3.1±11.0%、中学1年生4.7±15.0%であったことから、肥満度が平均的である学校(小:3.0%/中:4.5%)、高い学校(小:8.5%/中:9.5%)、低い学校(小:1.0%/中:2.0%)を抽出した。尚、肥満度20%以上の出現率は小1:6.8%(全国:4.3%)、中1:13.8%(全国:9.1%)と高いことが確認できた。 3.栄養指導の実施と効果の検討 視聴覚媒体(前述1)を利用してグループダイナミックス(集団力学的)理論を取り入れた栄養指導を行ったグループは、講義のみの栄養指導グループ、栄養指導をしないグループと比較をすると、態度変態状態(体重測定等7項目)が良好であった。有意差が認められない項目もあったが、望ましい習慣が定着してくることが、肥満改善のキ-ポイントであり、成人病予防の健康教育システム開発のためには、さらに継続して検討することが必須である。 以上の研究開発、調査研究、研究解析、研究資料整理に今年度補助金を使用した。
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