1995 Fiscal Year Annual Research Report
小中学校生徒における成人病予防のための集団力学的栄養指導の方法と効果に関する研究
Project/Area Number |
06680067
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Research Institution | Nakamura Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
林 辰美 中村学園短期大学, 食物栄養科, 助教授 (40149646)
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Keywords | 児童 / 健康教育 / 成人病予防 / 栄養指導 / グループダイナミックス |
Research Abstract |
我が国における小児期からの成人病問題は昭和50年代後半頃から顕在化し、小児成人病の発症とその予防は、今日、学校保健上の大きな課題となっている。 栄養指導の実施と効果の検討:肥満度が全国平均4.3%とほぼ同一である小学校において、従来の栄養指導は個人教育型の改善法であったが、グループダイナッミクス(集団力学的)理論を導入する一方で、視聴覚メディアを用いて、自分の栄養状況を認知し、改善の目標を与えて努力を引き出す方法を試みた。生活及び食生活の改善は、K.レウィンの「態度変容」の実験に準拠して、集団的意志決定の有用性を活用した。指導後、肥満度が減少したグループは、肥満度が増加したグループと比較して、栄養教育の理解度が有意に高いことが明らかになった。また、食生活面では肥満度減少グループは、「おやつの頻度」に態度変容がみられ、「ごはんの計量」と「おやつの量」にも態度変容が若干みられており、肥満度増加グループより良好な態度変容状態と判定した。視聴覚メディアと集団力学的理論の二つの方法の組み合わせにより、小児成人病並びに改善のためのカリキュラムの開発を試みた。 児童・生徒の成人病予防を目的とする健康教育を都市部並びに地域社会に対しておこなってきた。福岡市健康づくりセンター"ウェルネスレストラン"のマスメディア方式による栄養教育のための視聴覚的教育システムの開発(1994年)は、それなりの成果をあげてきた。また、一方、地域社会では児童・生徒の社会的背景としての家族、家族を包含するコミュニティの食生活における栄養学的問題点の解決が不可欠であることが判明した。小学校においては、調査研究の継続による実績が見られたが、中学校では「いじめ」、「不登校」等の問題を抱える学校が多く、調査の継続が不可能となり、今後の研究に期待したい。以上の研究開発、調査、解析、資料整理に今年度補助金を使用した。
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Research Products
(1 results)