1995 Fiscal Year Annual Research Report
持久力発現効果に及ぼす食環境の栄養生理的役割に関する研究
Project/Area Number |
06680110
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
屋代 正範 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50145158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
屋代 彰子 九州女子大学, 家政学部, 助教授 (10200487)
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Keywords | 長期高脂肪食 / オリーブ油 / フラクトース / 乳酸 / カテコールアミン / 水分補給 |
Research Abstract |
単価不飽和脂肪酸高含有脂肪であるオリーブ油を強化した高脂肪食の長期にわたる摂取が,運動時のエネルギー代謝に及ぼす影響について調べ,さらに長期高脂肪食摂取と運動時の栄養素補充との組み合わせの効果について検討した.被験者は男子大学生5名とし,1日当り約50gのオリーブ油を含む高脂肪食を15週間摂取させた.実験開始後1,13,14,15週目に65%VO_<2max>相当の自転車エルゴメーター運動を40分間実施し,1,13週目では水,14週目では紅茶及び15週目ではフルクトース飲料を摂取させ,運動前後の血清の生化学的項目及び運動負荷時の呼吸商を測定した. 血清グルコース値は1週目で運動後に減少していたが,13週目では増加傾向が認められた.血中乳酸値はいずれの運動負荷においても有意に増加していたが,特に1週目の増加率が顕著であった.運動負荷によって,血中カテコールアミン値は1週目に比較して13,15週目の方がそのレベルが低く,血中乳酸値の動態のそれと共通していた.一方,摂取飲料間の比較では,フルクトースが運動前後において血清グルコース値に変動がなく,血中乳酸値の増加度が他の飲料に比べ抑制されていた.さらにFFA値は運動後に増加していた.運動中の呼吸商は13週目の方が1週目よりも低く推移する傾向にあった. 以上のことから単価不飽和脂肪酸を強化した高脂肪食摂取が,運動時の好気的代謝能の促進を助長し,さらに長期高脂肪食摂取とフルクトース摂取の組み合わせが脂肪酸分解を阻害せずに運動時の栄養補給を可能とすることが伺われた.
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