1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680124
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
加賀谷 淳子 日本女子体育大学, 体育学部付属基礎体力研究所, 教授 (80083096)
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Keywords | 血圧 / 上腕動脈血流 / 掌握運動 / 中年女性 |
Research Abstract |
本研究は、運動に対する末梢循環系適応が加齢に伴ってどのように変化するかを明らかにすることを目的としている。対象とした運動は60秒間の静的および動的掌握運動であり、運動前から運動終了後3分まで、上腕動脈血流量(超音波ドプラー法)と血圧(Finapres)および心拍数を連続的に測定した。 静的運動の負荷強度は最大筋力(MVC)の10,30,50,70%とした。被検者は年齢34〜45歳の中年女性6名と20歳代の若年女性7名であった。また、超音波法(SSD500,アロカ社製)により前腕の皮脂厚と筋厚の計測を試みた。その結果、心拍数と血圧(最大、最小、平均)は負荷強度が高くなるにつれて上昇し、30%を超えると急増した。それに対して若年女性では、急増する強度が高く、50%と70%の間にあった。次に運動による血流量の変化を1拍動で流入する量と毎分当たりの流入量から検討した。筋活動中の血流量は、中年、若年女性共に、安静時と比べて大きな変化はなかったが、運動終了直後に顕著に増大した。運動終了直後の血流量は筋活動強度が高くなるにつれて大きくなり、運動中の血流需要に対する血液供給の不足も大きくなることが示唆された。また、運動中の血流量と平均血圧から求めた末梢血管抵抗は若年者では70%MVCで、中年女性では50%MVCで急増することが明らかになり、相対的強度の等しい運動であっても、若年者と中年者では循環応答が異なっていることが示唆された。前腕屈筋群の筋厚や皮脂厚の年代変化と循環系応答との関係は、十分明らかにならなかった。 動的運動は50,60歳代女性20名に対して行い、60秒間実施できる負荷は25-30%MVCであること、1心周期内に於ける上腕動脈血流測度の変化パターンが、20歳代の若年者と異なること、安静時および運動中の血圧が若年者より高いことが明らかになった。
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