1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680124
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Research Institution | Research Institute of Physical Fitness |
Principal Investigator |
加賀谷 淳子 日本女子体育大学, 体育学部・附属基礎体力研究所, 教授 (80083096)
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Keywords | 上腕動脈血流量 / 血圧 / 血管コンダクタンス / 動的掌握運動 / 中高年女性 |
Research Abstract |
本研究は、動的運動に対する循環系適応が加齢に伴ってどのように変化するかを明らかにすることを目的としている。対象は60歳(5名)、40歳(5名)、20歳代女性(10名)計19名であった。運動は仰臥位での掌握運動を60回/分のテンポで各負荷60秒間行うこととし、15%MVCから開始して5%ずつ負荷を漸増して疲労困憊に到らせた。実験中は上腕動脈血流量(Doppler法)、対側指尖からの血圧(Finapres)および心拍数(ECG)を測定した。その結果負荷強度の増加に伴って、上腕動脈血流量は増加し、20-25%MVCで最高値を示した。しかし、それ以上の強度ではleveling offを示した。安静時と運動中の上腕動脈血流量の最高値を3年齢群で比較すると、いずれも3群間に有意差には見られず、安静時は130-136ml/min,運動中の最高値は410-520ml/minの範囲にあった。運動終了直後の血流量はどの年齢群でも顕著な増大を示した。しかしその平均値にも3群間で有意差が見られなかった。血流量を規定する因子である1心周期の血流速度平均値を年代別に比較しても、有意な変化は見られなかった。しかし、運動中の収縮期血圧は20代,40代,60代と年齢が高くなるにつれて高い値を示した。一方、運動時の拡張期血圧には有意差が見られなかった。次に、平均血圧と毎分血流量から血管コンダクタンスを求めて、運動中の最高値を3年齢群で比較したところ、安静時では群間に有意差が見られなかった。運動中の最高値も20歳代(66.3±3.2ml/min/mmHg)と40歳代(64.4±9.2ml/min/mmHg)の間には顕著な差がみられなかったが、60歳代(31.9±3.3ml/min/mmHg)では有意な低下が見られた。すなわち、20-60歳代女性の動的運動時局所血流量最高値は一定レベル維持されていたが、血管コンダクタンスは高齢女性で低下することが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A. Kagaya and F. Ogita: "Vasoconstriction in active calf persists discontinuation of combined exercise with high-intensity elbow flexion" Acta Physiol Scand. (in press). (1996)
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[Publications] 加賀谷淳子、本間幸子: "中高年女性の動的掌握運動に対する末梢循環応答" 体力科学. 44. 673 (1995)