1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680125
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Research Institution | KANAZAWA COLLEGE OF ECONOMICS |
Principal Investigator |
平下 政美 金沢経済大学, 経済学部, 教授 (30102007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 幸應 金沢経済大学, 経済学部, 助教授 (90168146)
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Keywords | 高温環境 / 選択的脳冷却 / 発汗量 / 皮膚血流量 / 鼓膜温 / 食道温 / 姿勢 / 熱中症 |
Research Abstract |
1.高温環境下の姿勢変換による顔面の発汗量と皮膚血流量 健康な成人男子を被験者とし、40℃-50%(rh)の恒常高温環境下で、傾斜台に固定した椅子に座った状態で、その体位を垂直位(椅座)から水平位(仰向け)、さらに垂直位へと姿勢変換し、その時の前額の皮膚温と血流量、発汗量、鼓膜温と食道温、平均皮膚温、心拍数、血圧をそれぞれ比較した。各姿勢はそれぞれ20分間保持したが、ひの間心部体温はわずかであるが上昇した。垂直位に較べ水平では、前額の発汗量は減少、皮膚血流量は増加、皮膚温は上昇した。平均皮膚温の変化も同様であった。水平位では食道温、鼓膜温とも下降した。心拍数は水平位で減少したが、血圧には姿勢変化による影響は見られなかった。別の研究で報告した仰臥位の被験者で選択的脳冷却の効率が悪かったのは、導出静脈を経由して頭蓋内に流入する静脈血流量の減少以外に、背部の皮膚が圧迫されるために生ずる圧反射性の頭部の発汗の制御、それによる頭部の皮膚静脈の冷却力の低下が原因の一つであることが推測された。 2.運動時の環境温度と飲水量・発汗量及び体温に関する実態調査 暑熱下での運動時の熱障害予防のための基礎資料を得るため高温環境下でのスポーツ活動時の発汗量や飲水量及び体温との関係ならびに運動時の水分補給の有無が体温調節反応に及ぼす効果について検討した。発汗量および水分補給量はWBGTの上昇に伴って増大し、両者の間に高い相関関係が認められた。また運動時の口内温の上昇は、水分補給の有無によって異なり、水分補給の場合で0.62±0.30℃、非水分補給で1.09±0.54上昇し、両者の間に有意な差がみられた。発汗量は、水分摂取の方が非水分摂取に較べ有意に増加した。
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[Publications] 平下 政美 他: "高温環境下の姿勢変換による顔面の発汗量と皮膚血流量" 日生気誌. 31(1). 37-44 (1994)
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[Publications] 平下 政美 他: "マウスの寒冷暴露の体脂肪代謝に与えるβ遮断剤の効果" 金沢経済大学論集. 28(2). 121-134 (1994)
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[Publications] 平下 政美 他: "運動時の手掌発汗量に及ぼす運動強度の影響" 発汗学. 1.2(1). 41-43 (1995)
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[Publications] 平下 政美: "運動時熱中症をおこす各種要因" 金沢経済大学雑誌“telos". 15. 7-15 (1995)
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[Publications] 平下 政美 他: "高温環境下での長時間競技時の発汗量、飲水量および浸透圧の変化" 金沢経済大学雑誌“telos". 15. 37-43 (1995)
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[Publications] 平下 政美 他: "Blood flow of human head skin in hyperthermia" Body Temperature and Metabolism. 149-152 (1995)
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[Publications] 平下 政美 他: "幼小児の登園時における体温の変動と飲水量・発汗量" 金沢経済大学論集. 29(3). 75-85 (1996)
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[Publications] 平下 政美 他: "運動時の環境温度と飲水量・発汗量及び体温に関する実態調査" 体力科学. 45(1). 151-158 (1996)