1995 Fiscal Year Annual Research Report
高速交通網の整備にともなう観光リゾート開発に関する地域比較
Project/Area Number |
06680134
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩鼻 通明 山形大学, 教養部, 助教授 (20167282)
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Keywords | 観光リゾート開発 / 高速交通網 / リゾート法 / 戸隠信仰 |
Research Abstract |
リゾート法の制定以来、各地で観光リゾート開発が積極的に計画されてきたが、バブル経済の崩壊によって、それらの計画は中止・縮小された場合が少なくない。 本年度は、1998年の長野五輪に向けて、高速交通網の整備が進みつつある長野県の戸隠村中社集落における現地調査を実施した。戸隠村の観光はバブル崩壊の影響を比較的受けずに順調に進展してきたが、昨年の阪神大震災や昨夏の水害のために、ここに来て急激な減少傾向が生じている。名産の戸隠ソバを中心とする日帰り観光は比較的順調なものの、避暑やスキーなどの滞在型観光の落ち込みがいちじるしい。 一方、隣接する飯綱高原が会場のひとつとなる長野五輪についても、予想外に期待感はうすく、むしろ高速交通網の整備にともない、戸隠が通過観光地となってしまうことへの不安が高まっている。 このように、リゾート法の制定や、高速交通網の整備は、地方における観光リゾート開発を促進はしたものの、一方で類似した性格の観光地間の競合を招き、安定的な観光地形成には必しも寄与していない。今後は、戸隠信仰を護持してきた戸隠村のような、地域の内発的要素を重視して、伝統文化や歴史的景観を保全していくような観光地づくりに積極的に取り組むべきであろう。
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