1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90195058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 良雄 東京大学, 教養学部, 助教授 (50134408)
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Keywords | 都市地理学 / 社会地理学 / 行動地理学 / 生活空間 / 東京大都市圏 |
Research Abstract |
1.環境心理学の成果を取り入れた新しい行動地理学の研究動向をふまえ,都市環境と生活行動の相互作用メカニズムに認知過程を積極的に導入した分析枠組みを作成した。これは1992年に実施した予備調査において抽出された「活動空間」「認知空間」「帰属空間」といった空間概念を精緻化し包括的にしたもので,生活圏の拡大や流動化の著しい大都市圏住民の生活空間を議論するための基礎的な枠組みを提供するものである。 2.東京大都市圏を対象に各種統計資料からマクロスケールの社会地区分析を行い,アンケート調査の対象地域を選定した。分析の結果,地域社会の流動性が高い地域として,大都市郊外の新興住宅地区とともに,江東区や大田区といった都心周辺部が確認された。都心周辺部では,70年代の工場移転にともなう再開発で中高層団地が多く立地し,また近年では民間集合住宅が増加しており,特に若年層の流出入が多い地域である。住民の多様性と調査の利便性を担保するために東京都江東区を調査対象地区に選定し,江東区のなかでも特に民間マンションが多く立地し,また旧来からの町会が機能している門前仲町周辺地区を対象地区とした。 3.既往の調査報告を検討するとともに,町会・自治会会長へのヒアリング調査と簡単な葉書による調査を行い,分析枠組みをアンケート調査票に具体化するための検討を行った。活動空間や意識空間といった概念の具現化や,町会・自治会から都市・大都市圏に至るさまざまな空間スケールの取り扱いを考慮して調査票を決定し,次年度はじめを予定する調査に備えてその印刷を行った。
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