1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680154
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Research Institution | RITSUMEIKAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
戸所 隆 立命館大学, 文学部, 教授 (80066745)
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Keywords | 副都心 / リストラクチャリング / 立体化 / 分都市化 / 自立化 / 垂直的ネットワーク / 水平的ネットワーク / 渋谷 |
Research Abstract |
都心は管理的な機能の集積する管理都心と消費的な機能の集積する消費都心から構成される。それに対して副都心は消費都心中心である。しかし、今日、副都心にもビジネス機能が集積をはじめ、管理都心が形成されつつある。同時に副都心を取りまく環境も、郊外の自立化や既成大都市域でのインナーシティ問題の発生など、これまでとは異なるものとなってきている。こうした中で、副都心の構造変化と今後の方向性について東京・渋谷を中心に研究した。 本年度は、研究計画に基づき、昨年収集した資料のまとめとその補充調査をした。調査は関係官庁・団体での資料収集と副都心渋谷の中核企業である東急・西武両者関係者への聞き取りに重点をおいた。その結果、東京が構造的に分都市化し、副都心がその中核になってきており、それが副都心の管理都心化にもつながるのではないかとの新たな知見が得られた。これは副都心の自立化であり、それにより、これまでの都心-副都心-副々都心という階層的な都市構造の転換を意味する。すなわち、同じような副都心がいくつもできるのではなく、個々の副都心が個性化し、自立する中でこれまでの階層的で閉鎖的な垂直的ネットワーク構造から、開放的な水平的なネットワーク構造に都市構造が変りつつある。それが、高層建築物の増加による土地利用転換の中で生じている。本年度問題となった臨界副都心は、都心の補完的役割が大きく、分都市化の中で大きな後背地を生かして自立化しつつある既存の副都心のリストラクチャリングの方向性とは異なっている。そこに問題があったと考えられる。 本研究は対象が大きく、十分な検証はできないが、副都心のリストラクチャリングの方向と新たな仮説を導びけた。
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