1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680177
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 春彦 広島大学, 学校教育学部, 教授 (90033638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 信吉 広島大学, 学校教育学部, 助手 (30240873)
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Keywords | 環境教育 / 化学教育 / 廃液処理 |
Research Abstract |
本研究は、筆者らがすでに開発・改良した銅(II)塩の関与する化学反応教材を発展させ、実験終了後の廃液や固体廃棄物を化学的に処理して回収または再利用するシステムを開発することを目的としたものである。 平成6年度には、アルミニウムの関与する従来の化学反応教材を概観したのち、種々の新しい反応教材を開発した。これらの成果を、日本化学会中国四国支部化学教育研究協議会(平成6年8月高知大学)で発表するとともに、学校教育実践学紀要(第1巻、1995)に発表した。 平成7年度には、マンガンや鉄などの化合物について、それぞれの水溶液から水酸化物や酸化物を沈殿させ、これらの組成を化学分析、IRスペクトル、熱重量分析法などによって決定した。また、これらの沈殿の熱分解反応過程を明らかにした。これらの実験に基づいて、化学反応サイクルを完成させるともに、化学実験室における試薬の再利用またはリサイクルの可能性を検討した。鉄の関与した化学反応教材とその環境化学教育的取扱いに関する成果は、学校教育実践学研究(第2巻、1996)に印刷中である。 小・中学校での酸素発生実験において触媒として用いられる二酸化マンガンを回収し、加熱乾燥して再び触媒として用いる実験を行い、これを物質の分離・精製の実験と関連させて教材化を検討する予定である。また、回収した二酸化マンガンの触媒能力を過酸化水素水の分解反応速度の決定により判定したところ、充分再利用が可能であることが認められた。
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[Publications] 田中春彦: "化学実験と環境教育II.アルミニウムの関与する反応" 学校教育実践学研究. 1. 113-118 (1995)
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[Publications] 田中春彦: "化学実験と環境教育III.鉄の関与する反応" 学校教育実践学研究. 2(印刷中). (1996)
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[Publications] 田中春彦: "化学の実験-化学を基礎から理解するために-" 培風館, 127 (1995)