1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680184
|
Research Institution | SCIENCE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
細井 勉 東京理科大学, 理工学部, 教授 (30055305)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正雄 中央大学, 理工学部, 講師 (30055181)
長野 東 東京理科大学, 理学部, 講師 (10198343)
島田 茂 東京理科大学, 理学部, 教授
松尾 吉知 東京理科大学, 理学部, 教授
|
Keywords | 数学教育 / 数学用語 / 定義文 / 不完全定義概念 |
Research Abstract |
初等及び中等教育用の算数及び数学の教科書、さらに学習指導要領の中の数学用語及び数学的概念について調査し、定義が必要なのに定義が不十分な実例を多数得た。 一例をあげると、高校で扱われる一般角というものがある。大学の入学試験等においても、一般角で答えよ、というような形でこの用語が使用されたりする。ところが、この一般角が何であるのか、教科書に説明はあっても理解不能であることが分かった。角の概念がどのように拡張されているのか、400°という表現は一般角表限なのか、40°という表現では一般角表現になっていないのか、さらに、40°+n×360°(n=0,±1,±2,±3,…)と表現しなければ不十分なのか等、説明が不十分であった。角の概念の拡張と角度の表現法の拡張とが混乱して扱われていた。 定義文についてもいろいろな問題点を発見した。たとえば、いわゆる存在定理と関係する存在概念が、一般的に見て、文構造的に不都合な定義文によっていることが多いことが分かった。 以上のことをふまえて、言葉に関する注意をうながすための著書を1冊、定義及び説明に工夫をこらし、標準文体のたたき台とすることを意識した著書を2冊、いずれも大学諸年次水準のものであるが、執筆し、公刊した。 また、中等教育水準の数学用語について、他の科学研究費プロジェクト(一般研究(A)岡本班)で進められている文部省学術用語集数学編の編集作業に対して、日本語と英語の語彙表を作成して、提供した。その際、新課程が進行中の高校数学の用語の実態の調査研究を行った。
|
Research Products
(11 results)
-
[Publications] 細井勉: "日常語の論理と数学語の論理(数学のよりよい指導法をめざして)" 発展(愛知教育大学). 3. 7-21 (1994)
-
[Publications] 細井勉: "日常会話に見る論理" 日本数学教育学会会誌. 77-3. 6-6 (1995)
-
[Publications] 細井勉: "背理法と二重否定" 日本数学教育学会会誌. 77-9. 9-9 (1995)
-
[Publications] 細井勉: "数学が「一般」というとき" 数学セミナー. 35-2. 42-45 (1996)
-
[Publications] 細井勉: "二重の否定" 日本数学教育学会会誌. 78(印刷中). (1996)
-
[Publications] 細井勉: "Logics behind Natural Languages" Proceedings of Tenth International Congress of Logic, Methodology and Philosophy of Science. 569-569 (1995)
-
[Publications] 細井勉: "What kind of logical education should be given to the candidates of mathematics teachers?" Proceedings of Seventh South East Asian Conference on Mathematics Education. (発表予定). (1996)
-
[Publications] 細井勉(単著): "わかるイプシロン・デルタ" 日本評論社, 217 (1995)
-
[Publications] 細井勉(共著): "身につく線形代数" 共立出版, 145 (1995)
-
[Publications] 細井勉(共著): "身につく微積分" 共立出版, 141 (1995)
-
[Publications] 細井勉(共著): "理工学辞典" 日刊工業新聞社, 2000 (1996)