1994 Fiscal Year Annual Research Report
理工系高等教育における職業倫理育成に関する総合的研究
Project/Area Number |
06680186
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
札野 順 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90229089)
|
Keywords | 理工系教育 / 職能倫理 / 科学者の社会的役割 / エシックス / ケース・メソッド / シラバス / 大学教育 / インターネット |
Research Abstract |
本年度は、研究の基礎となる情報収集を中心に活動した。その成果をまとめると次のようになる。 1.米国大学工学教育における工学倫理(エンジニアリング・エシックス)教育で使用されている教科書や補助教材並びにシラバスなどの収集、分析を行った。その結果、米国における工学倫理教育の方法が、道徳的判断が要求される具体的な事例を提示し、学習者に実際的な判断を要求するいわゆるケース・メソッド(事例研究法)が主流であることを確認した。また、代表的な教科書4冊の詳細な分析を開始し、それらに共通して現れる基本的概念や事例の体系的な整理作業に着手した。 2.工学倫理や職業倫理教育の分野で活躍している米国の研究者と連絡を取り、意見交換を行った。この中には、倫理綱領に関する哲学的考察で知られているハインツ・ル-ゲンビール博士(ローズ・ハルマン工科大学)やこの種の問題の歴史的考察で知られるステファン・カトクリフ博士(リ-ハイ大学)を含み、彼らとは直接面談した上で、電子メイルでの連絡を継続している。また、工学倫理教育の分野で中心的な役割を果たしている研究者並びに研究・教育機関のリストを作成し、今後の研究、特に計画しているインターネットを用いたアンケート調査の実施に役立てる準備をした。 3.研究室にインターネットにつながったコンピュータを設置し、インターネットの基本的な利用方法やアンケート実施の可能性について研究した。特に、日常的に頻繁に意見交換を行っているいくつかのグループでの情報の流れについて観察した。
|