1995 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者のための植物観察教育プロブラム作成に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06680192
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Research Institution | NATIONAL SCIENCE MUSEUM |
Principal Investigator |
矢野 義治 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 園長 (40166567)
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Keywords | 植物観察 / 植物点字名札 / 点字案内板 / 植物のレプリカ |
Research Abstract |
植物観察は、自然界のしくみを植物を通じて科学的に学習する基礎的な方法として、特に近年の理科ばなれが進行する中で、科学的興味を引出すきっかけとして再認識されてよいテーマである。これは健常者のみならず視覚障害者などハンデ-キャップを持った児童・生徒および成人にとっても同様である。本報告は視覚障害者のための植物観察教育プログラム作成における、平成7年度の研究成果を要約したものである。 植物園における視覚障害者に対する安全な誘導の実際的検討 筑波実験植物園のオープンスペースにおける視覚障害者の安全な行動ルートの計画図を作成した。誘導路については屋外と温室など環境の異なる場所を連続して観察できように配慮した。園路の段差の解消、手すりによる点字誘導、音声による観察ポイントの解説などを実際に合わせて検討した。 点字案内板および植物名札の試作 耐久性のある点字案内板は温室内のものを試作した。温室内の全体配置と誘導が一体化するよう点字説明文に注意した。健常者の介添えも考えられるので、従来の説明文を点字に合わせて検討した。植物名札は従来様式のものに、手で容易に触れるよう形状、設置場所などの実際的検討も行った。 葉や花のレプリカ作製 葉や花は季節により観察できないこともあるし、手を傷つける恐れのある刺を持つ植物もあり、触覚による認識にはレプリカで対応しようとした。レプリカの作製は、歯科用の形取り剤をもちい、かなり詳細な部分の特徴も出すことが可能であった。
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