1994 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境を理解するための博物館学習プログラムの開発
Project/Area Number |
06680193
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
平田 大二 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任学芸員 (70132917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 浩之 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 技師 (60261195)
小出 良幸 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 主任研究員 (50211230)
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Keywords | 地球環境 / 博物館 / アンケート調査 / 学習プログラム開発 |
Research Abstract |
一般市民が考えている地球環境のイメージを把握するため、また小、中、高、大学の教育現場における地球環境学習の実態を把握するために、博物館の行事参加者と県内の小中高校教師および大学生を対象にアンケート調査を行った。 その結果、博物館行事参加者からのデータからは、大人、子どもに関わらず地球環境に関する意識が、当初想像していたよりも高いものであることがわかった。これはマスコミ報道や図書で広く地球環境問題について取り上げていることと、学校教育のなかで地球環境についての学習がおこおなわれていることがその理由であろう。ただし、地球環境問題の用語は数多く知ってはいるものの、その内容についての理解は十分とはいえない。そのための学習の場として博物館が期待されている。 一方、教育現場における地球環境学習は、各学年毎に各分野でカリキュラムの中に盛り込まれているが、設備不足や時間不足で取り組みが十分に対応できないことが多い。このことが一般市民の地球環境についての理解度、すなわち用語を知るまでの段階でとどまっていることの多さにつながっている。特に、地球環境に最も関係が深いとおもわれる地学分野では、高校の場合は選択科目になっていることもあり、教師自身が学習する場面が少なく、学習素材の選択が難しいようである。なかには個別に学習資料を作成し、授業で展開しているケースもあるが、それは個人レベルでの対応でしかなく、機関での対応は困難な様子である。そのため、博物館など外部の教育機関や生涯学習機関での積極的な活動が望まれている。 現在、アンケート調査結果を報告書としてまとめており、地球環境学習プログラムを開発するためのフローチャートを作成するための作業に取り組んでいる。
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[Publications] 平田大二 ほか2名: "大磯丘陵で発見された淡水性珪藻化石を含む箱根火山起源の火山豆石" 地球科学. (1995)
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[Publications] 平田大二 ほか4名: "逗子市桜山「鐙摺の不整合」露頭の再記載" 神奈川自然誌資料. No.15. (1994)
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[Publications] 小出良幸・平田大二・山下浩之: "ニューメディアとニューメソッド-地学教育と博物館-" 神奈川地学. No.74. 14-16 (1994)
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[Publications] 小出良幸: "地球前史-地球形成場の素描-" 月刊 地球. 17. 203-209 (1995)
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[Publications] 小出良幸・山下浩之: "地球前史-地球形成場と原料への束縛条件-" 地学雑誌. 104. 167-188 (1995)
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[Publications] 山下浩之・大谷栄治: "キンバライトの高温高圧実験:上部マントルにおける流体の化学組成について" 神奈川県立博物館研究報告. 24. 1-8 (1995)
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[Publications] 平田大二 ほか7名: "新しい地球史 46億年の謎" 有隣堂, 213 (1994)