1996 Fiscal Year Annual Research Report
学習障害児における数学的概念の認識過程とコンピュータ利用に関する研究
Project/Area Number |
06680267
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Research Institution | KAGOSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
植村 哲郎 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (60040739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 治彦 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (80160555)
内田 芳夫 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (20004129)
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Keywords | 学習障害児 / 数学的概念 / コンピュータ利用 |
Research Abstract |
3年計画の最終年度に当たる本年度は、主として次のような研究を行った。(1)学習障害児(LD児)の数概念の認識についての調査や研究論文等の文献調査、資料の収集や研究情報の相互交換(2)学習障害児(ダウン症児を含む)3人について、週に1回ずつ、算数的概念の指導や調査(3)研究の成果のまとめと報告書の作成 (1)では、T(1)同様の研究を行っている弘前大学教育学部附属養護学校と岐阜県立関養護学校と研究資料と自作のコンピュータソフトを交換し、児童の学習指導に利用し、成果やソフトの有効性について確認した。 また、(2)学習障害児の算数的概念の認識では、それぞれ、加法計算、乗法、除法、量の概念(長さ・かさ)について、調査と指導を行った。 その結果、1人の児童では、くり上がりのある加法の計算の仕組みの理解に、考案した教具とコンピュータソフトを利用した指導の効果が顕著であった。また他の児童についての指導では、乗法は比較的理解されやすいが、乗法から除法への発展には、従来の健常児の過程とは大きい認識過程に差異が認められ、そこでもコンピュータの利用の効果があることが確認できた。 研究の(1)(2)の成果については、11月の学会(数学教育学会於:東京都立大学、日本数学教育学会於:筑波大学)植村が行った。更に平成9年3月にも、九州数学教育学会(於:福岡教育大学)でも報告の予定である。
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