1994 Fiscal Year Annual Research Report
軽度精神薄弱児の高校への進学実態とその教育内容の検討
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06680271
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Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
細渕 富夫 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (10199507)
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Keywords | 障害児教育 / 精神薄弱児 / 高校教育 |
Research Abstract |
軽度精神遅滞児は、精神遅滞児の多数を占めており、その教育内容や方法の問題は精神遅滞児の教育研究できわめて大きな位置を占めている。しかし、養護学校義務化以降、軽度精神遅滞児に対する関心は相対的に低下してきている傾向は否めない。こうした中で中学校特殊学級に在籍した軽度精神遅滞児の卒業後の進路問題が顕在化してきている。特に、高等教育が準義務化の状況にある中で、中学校特殊学級(精神薄弱)卒業者の後期中等教育への進学率は60%にみたないほど低率である。 そこで、軽度精神遅滞児の後期中等教育への進学動向について、主に長野県内を対象に調査したところ、かなり劣悪な教育的処遇を受けており、「放置」に近い状況にあることが明らかになった。高校への進学者数については、近年減ってきているが、特定の高校へ集中する傾向が見られた。また、高校への進学にあたっては、入試制度の見直しとともに、高校特殊学級の開設を要求する運動が全国的に高まりつつあること明らかになった。また、研究の開始にあたっては全国規模の調査を計画していたのだが、調査経費の点で困難となり、長野県を重点的に調査することにした。長野県は軽度精神遅滞児の高校への進学者数が全国でも最も高い県であり、この実態の一端を明らかにできたことは、大きな成果である。次年度の研究では、いくつかの高校について、その受入れの状況(教育課程と特別な配慮)を詳細に調査することにより、研究目的をある程度達成できる見込みとなった。
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