1995 Fiscal Year Annual Research Report
異文化間コミュニケーションにおける非言語伝達行動の習得に関する基礎的研究
Project/Area Number |
06680278
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Research Institution | University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
池田 裕 電気通信大学, 留学生センター, 助教授 (60184438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 智子 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 講師 (00232190)
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Keywords | 非言語行動 / 異文化間コミュニケーション / 第二言語としての日本語 / 第二言語習得 / 会話分析 |
Research Abstract |
平成6年度は、第二言語としての日本語の習得に伴う非言語行動の変化を観察するために、初級、中級、上級、それぞれの時点で録画資料を収集した。また、学習者の日本語における非言語行動と比較対照するため、日本人同士の会話の様子も録画した。本年度は、収集した録画資料を文字化し、さらに非言語行動(視線、うなずき、手の動き)の記述を加え、「言語・非言語テクスト」の形へと整備を進めた。 現在までに、「視線、うなずき」が日本語会話において日本人同士の場合と日本人と学習者の場合でどのように異なるか、学習者の非言語行動には言語習得につれてどのような変化が見られるか、また言語・非言語にわたる「あいづち」が会話進行上の機能をどのように担っているかなどに注目して、「言語・非言語テクスト」の分析を、日本人、インドネシア人、モンゴル人学習者に関して行ってきた。 その結果は、平成7年度日本語教育学会春季大会(平成7年5月28日)、平成7年度全国語学教育学会年次国際大会(平成7年11月4日)で口頭報告し、「異文化間コミュニケーションにおける日本語学習者の非言語行動の習得」(『平成7年度日本語教育学会春季大会予稿集』、pp.85-90、平成7年5月)、「日本人の対話構造」(『言語』、大修館書店、第25巻・第1号、平成8年1月、p.48-55)、「日本語学習者の非言語行動の縦断的観察-視線・うなずきを中心として-」(『全国語学教育学会大会発表論文集』-審査終了印刷中)にまとめた。 10月に予定していた第4回目の録画資料は、学習者の日本語習得の様子および第1回から第3回までの資料の分析から見て、収録をもう少し遅らせた方がより変化が明らかになるだろうと考え、第3回の録画から1年後の平成8年2月にインドネシア人学習者4名に関して行った。総合的な言語習得の状況を調べる資料として、400文字〜800文字程度の作文も毎回書いてもらっている。これらの資料に関しては、現在テクストとしての整備、入力等を行っているところであり、ほぼ2年間にわたる言語・非言語の習得・変化の様子の全体像を早急に明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 池田裕,池田智子: "異文化間コミュニケーションにおける日本語学習者の非言語行動の習得" 平成7年度日本語教育学会春季大会予稿集. 85-90 (1995)
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[Publications] 池田裕,池田智子: "日本人の対話構造" 言語. 第25巻第1号. 48-55 (1996)
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[Publications] 池田裕,池田智子: "日本語学習者の非言語行動の縦断的観察-視線・うなずきを中心として-" 全国語学教育学会大会発表論文集. (審査終了印刷中). (1996)