1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680281
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
中川 かず子 北海学園大学, 人文学部, 教授 (10244831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二通 信子 北海学園大学, 教養部, 講師 (20254691)
門脇 誠一 北海道大学, 留学生センター, 教授 (40204523)
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Keywords | 母語別音声教材 / イントネーション / リズム / アクセント / 英語話者 / 韓国語話者 / 中国語話者 |
Research Abstract |
本年度の研究目標は日本語学習者による母語別(英・韓、中国語)の発話のサンプルを収集し、問題点を整理することだった。単音レベルの問題については、特に新しい成果があったとは思われないが、イントネーション、アクセント、リズムといった韻律的特徴の視点からいくつか今後の研究に示唆を与える問題点が得られたと思う。イントネーション、リズムに関しては上述の三言語ともそれぞれに日本語とは異なる特徴をもち、学習者の発話を自然な日本語に"修正"するにはいかに外国語話者による日本語の音の高低、強弱、長短のばらつきを母語の影響から守れるかということになる。例えば、英語話者は日本語の音声に強弱、長短の顕著なイントネーションをつけたりする。韓国語話者は、リズム、テンポの速さと強弱、それに有気、無気の音により非常にメリハリのある発声、発話を行う。中国語話者は日本語の平板アクセントやイントネーションの高さや長さの保持が難しく、また中国語の声調の影響でアクセントの高低の差が不自然に大きくなったり、2段階の高さの変化をしたりという傾向が見られる。イントネーション、リズムの重要性は、サンプルを分析すればするほど一層強く感じられる。それぞれの言語話者に合う効果的な練習方法を研究、開発していくことを、今後の課題として取り組んでいきたいと思う。また、音声教育について地元の日本語教師35名を対象に2回目のアンケートを行った結果、体系的に音声教育を行っている教師は相変わらず皆無に等しかった。必要性は感じるが教材もなく、教授法もわからないとの反応が多かった。
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