1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680292
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
仁木 直人 東京理科大学, 工学部・第一部, 教授 (10000209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 博樹 東京理科大学, 工学部。第一部, 助手 (50266920)
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Keywords | 不確実性 / Kullabck-Leibler情報量 / 主観確率 / エントロピー最大化原理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、不確実性の取り扱いに関して最も欠陥が少なく実用性が高いと考えられるBayes流の「主観確率」を基盤に、Kullback-Leibler情報量を適合性あるいは整合性の基準として導入することにより、理論的基盤を持った「不確実な事実に基づく推論」の方式を確立することにある。主たる目標は、対象を観測値・経験則・先験知識の複合体としてとらえ、それに関係する命題の不確実性に関する推論をエントロピー最大化原理に従って実行する方法論の統計的・数学的基礎付けを十分に行うことである。また、計算機上に小規模な評価システムを作成して、試験研究として継続する実用システム構築に向けての一歩を踏み出すことまでを行う。 本年度は、不確実性に関する種々の立場(Bayesian、ファジィ論理、Belief関数等)に固有の問題点について検討を行った。また、いくつかの典型例について、情報量に基づく確率推論規則を作り、問題とすべき事項を整理・検討した。その結果、この推論規則が概ね常識に反さない出力を生み出すことが確認された。さらに、不確実性の起因および性質は、観測値・経験則・先験知識のひとつひとつについて異なるが、その検討の結果から、経験則・先験知識を観測値の解析に積極的に取り込んだ統合解析方式開発に向けた準備がある程度できた。 研究計画は、概ね当初予定の通りに進行している。ただし、統合解析方式の開発設計および評価システムの部品となるモジュール群を作成に関しては、予想を大きく越える作業量を要し、遅れ気味である。一方、当初計画になかった「学習過程研究への応用」が可能なように思われ、研究の新たな発展が期待できる。
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[Publications] Hashiguchi,H.& Niki,N.: "Kostaka Numbers and Their Roles in Statistics." Proc.Fifth Japan-China Symp.Statist.90-93 (1994)
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[Publications] 橋口博樹,仁木直人: "ヤングタブロ-の数え上げについて" 数式処理. 3(発表予定).