1994 Fiscal Year Annual Research Report
分散ソフトウェアシステムのプロトタイピング・プロセスモデルに関する研究
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06680299
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮本 衛市 北海道大学, 工学部, 教授 (00001173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 和史 北海道大学, 工学部, 助手 (70190676)
渡辺 慎哉 北海道大学, 工学部, 助手 (70210903)
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Keywords | 並行オブジェクト / オブジェクトの振舞い / 分散システム / 振舞いの型 / オブジェクトの協調動作 / 並行オブジェクトの設計 / プロトタイピングモデル / オブジェクトの動的仕様 |
Research Abstract |
分散システムのように、時間と空間にわたって複合したシステムの分析・設計のためのプロトタイピング・モデルを確立するために、現在、並行オブジェクト群の振舞いに関するモデル化を進めている。そこでの基本的な考え方は、並行オブジェクトの振舞いを正規表現からなるパス式で表し、これを基本状態の逐次遷移のみからなる基本パス式に分解し、オブジェクト間の基本的な協調動作を各オブジェクトの基本パス式に基づいて定義しようとするものである。ここで定義した協調動作を基にして、各オブジェクトの振舞いや、さらには並行オブジェクト群からなるシステム全体としての振舞いを構造的に表現する枠組を導出した。このモデル化により、並行オブジェクトの動作仕様が形式的かつ構造的に表現することができ、並行オブジェクトを含むソフトウェアの動的な分析・設計に極めて有益であるも例証することができた。 一方、システムを設計する立場からは、システムとしての機能、そのためのシステムの振舞い、それを実現する並行オブジェクトの設定とその振舞いという筋道で通常考えられていくはずであり、これまでに得られた枠組に基づき、並行オブジェクトで構築するシステムの設計論が新たに必要となる。これはシステムの動的な振舞いも形式的な枠組の中で行おうする新たな試みであり、今後の主たる研究課題である。また、この設計論を支援する設計環境や高次の言語などが設計者にとっては不可欠であり、できるだけビジュアルに作業を進めていくためのそれらの在り様も今後の研究課題として取り組んでいる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 何克清: "並行オブジェクト群による協調動作に対する型の定義" 情報処理学会論文誌. 36. 443-452 (1995)
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[Publications] E.Miyamoto: "Definition of Type for Cooperative Behaviors Based on Concurrent Objects" Proc.Kunming Intn'1 CASE Symposium '94. 3A1-3A.8 (1994)
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[Publications] 宮本衛市: "並行オブジェクトシステムのモデルと設計法" 情報処理学会研究報告. 95-SE-102. 141-146 (1995)