1995 Fiscal Year Annual Research Report
非データ並列計算の並列プログラム化手法に関する研究
Project/Area Number |
06680321
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
瀧 和男 神戸大学, 工学部, 教授 (20243321)
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Keywords | 非データ並列計算 / 並列プログラム化手法 / 並列オブジェクト指向 / 並列塵集め方式 / 実時間塵集め / 未生成オブジェクト機能 / メッセージ優先度 |
Research Abstract |
非データ並列計算問題の並列プログラム作成技術を研究開発するために,本年は,昨年設計した並列オブジェクト指向言語mosaicに関して、言語の特徴を生かしたプログラム手法の提案,それを用いた本格的並列応用プログラムの開発,mosaic言語処理系の処理効率向上のための改良などについて,以下の3項目の研究開発を行った. 1. 未生成オブジェクト機能とプログラム手法の提案・評価: mosaic言語の特徴的機能である未生成オブジェクト機能が,オブジェクトの生成とメッセージ送信に関する順序の制約をなくすことのできる新しい機能であることを示し,それを用いたプログラム手法を提案した.また本手法が,プログラムの記述量削減と並列性向上に効果のあることを例を用いて明らかにした. 2. mosaic言語処理系の設計と実装・評価: 数万個以上のオブジェクトを効率よく実行するために,mosaic言語処理系用に新しい並列塵集め方式を考案し実装した.本方式は,重みなし参照カウント法と重みつき参照カウント法を併用して一つのタウンタで管理し,回収にはfree-listとインクリメンタルコピーイングを用いる実時間塵集め方式であり,塵集め処理時にシステムが停止するという問題を解決した. 3. mosaic言語を用いたプログラム手法の開発と並列応用プログラムの開発: mosaic言語を用いて2種の規模の大きい並列応用プログラムを開発し,記述性と処理性能の高さを確認した.1つ目はLSIブロック配置問題を温度並列シミュレーテッド・アニーリング法で解くものであり,オブジェト間の非同期的通信部分にmosaicの言語機能を活用した.2つ目は行動シミュレーションを基にした実時間動画生成プログラムであり,mosaicのメッセージ優先度管理機能を時刻管理に適用した新しいプログラム化手法を開発した.
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Research Products
(1 results)