1995 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタル画像から指定された曲線成分を抽出する一般的な方法の開発
Project/Area Number |
06680334
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Research Institution | OSAKA ELECTRO-COMMUNICATION UNIVERSITY |
Principal Investigator |
浅野 哲夫 大阪電気通信大学, 情報工学部, 教授 (90113133)
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Keywords | 計算幾何学 / パターン認識 / アルゴリズム / ディジタル直線 / ハフ変換 |
Research Abstract |
与えられた画像の中に存在する曲線成分の抽出問題はパターン認識における基本的な問題の一つである。従来から直線成分の抽出については多くの方法が提案されてきたが、本研究では計算幾何学の知識、特に双対変換とアレンジメントの概念を利用して、指定された曲線の成分を残らず検出できる性能が保証されたアルゴリズムを提案すると共に、計算機実験を通してその有効性を検証した。従来からも曲線成分抽出の方法は種々提案されているが、曲線ごとに特別の方法が考案されていた。本研究の特色は、曲線族を指定するための代数的構造を明確にすることによって、曲線族の複雑度を自由パラメータと呼ばれる概念で定量化し、その上で可能な限り効率のよいアルゴリズムを提案していることにある。 本年度の研究成果を既に国内外で発表したが、いずれも多様な分野の研究者に好評であった。国内では実用面を重視する研究会で発表し、国外では基礎理論のシンポジウムにおいて発表を行なったが、実用面と基礎理論を結びつける研究として高い評価を受けた。 平成7年度においては、特に理論的な検討よりも実際的な面からの検討により時間を割いた。具体的には、画像のエッジ検出から始めて、直線および曲線抽出のための雑音成分除去の前処理(各点を中心にある方向の領域に存在する黒点の個数を定数時間でカウントし、雑音かどうかを判定する処理)の方法を確立した。これは研究当初には得られていなかった知見であるが、実験の結果として有効性が確かめられたものである。
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[Publications] T. ASANO, N. KATOH, E. LODI, T. ROOS: "Optimal Approximation of a Curve by a Polygonal chain with Vertices an a Grid" FORMA. 10. 133-144 (1995)
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[Publications] T. ASANO, N. KATOH: "Variants for the Hough Transform for Line Detection" Computational Geometry: Theory and Applications. (採録決定).
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[Publications] T. Roos, T. Asano, D. Ranjan, E. Welzl, P. Widmayer: "Space Filling Cunes and Their Use in the Disign of Geometric Data Structures" Theoretical Computer Science. (採録決定).