1994 Fiscal Year Annual Research Report
自律複数移動ロボットの力協調に基づく作業システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
06680335
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中野 栄二 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (90198151)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 宏樹 東北大学, 工学部, 助手 (00250689)
松川 卓二 東北大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (10209520)
高橋 隆行 東北大学, 大学院情報科学研究科, 講師 (70197151)
|
Keywords | 協調作業 / 複数ロボット / 自律ロボットシステム / 力協調 / Behavior-Based Robot / 複数ロボット協調戦略 / 対象物の運搬と組立て |
Research Abstract |
平成6年度の研究は主にシステムの構築理論や複数ロボットの作業協調戦略に関する設計理論について検討し、さらに実機ロボットシステムを製作し、基本協調作業に関する検証実験を行った。 理論的な面では、力協調を要する複数ロボット作業システムとして分散集中融合型ロボットシステム(BeRoSH(Behavior-Based Mutiple Robot System with Host)を提案し、対象物の操り作業を行う協調戦略を提案した。この協調戦略は、各ロボットに能力方向にいつも能動的に出力する特性を持たせることと、非能力方向にいつも受動する特性を持たせること、全てのロボットの能力方向を組織することの三つの部分からなり、複数ロボットシステムでの各ロボットの能力設計及び集団組織の二つの基本設計思想から構成したものと言える。また、コンピュータでのシミュレーションでBeRoSHシステムの構成及び複数ロボットによる共同作業の協調戦略について実証を行い、良い結果を得た。 また、小型自立型ロボット3台を製作した。さらに、ホストコンピュータとCCDカメラ及び画像処理ボードとによって構成したエストエージェントと上記3台の自立ロボットとで、提案したBeRoSH共同作業複数ロボットの実験システムを構築した。この実験システムを用いて、複数ロボットの共同作業の協調戦略についての基本的な検証実験を行い、複数ロボットシステムの設計の基本思想やシステムの正当性を示した。 協調戦略に関する理論設計において、従来の複数アームや複数指機構による物体操りの研究で用いられてきたモデル中心の協調方式と異なり、"複数ロボットの能力設計"と"ロボット群の組織戦略"で構成した協調戦略を提案した。この協調戦略は複数移動ロボットシステムの制御問題の特性から立てたもので、簡略かつ有効であること、作業に参加するロボット数の増減に容易に対応できること、作業対象物のモデルとの誤差に影響されないこと、などの特徴がある。また、システム全体の構成は、重複処理やロボット間の不要な競争を防ぎ、有限能力しか持たないロボットがホストによって確実に協調作業を達成できるように配慮した。ホストもFrom Clourseのコンセプトを用いて、複数ロボットを組織、それにより容易に動的協調を実現できた。基本的な協調作業の実験からこの協調戦略とシステムの構成が有効であるとの結論を得た。 それぞれの結果IRO'S94などの二つの国際会議および二つ国内の学会で発表した。
|
-
[Publications] Z.Wang,E.Nakano,T.Matsukawa: "A Multiple Behavior-Based Robots System for Cooperative Object Manipulation-System Construction and Simulation-" 第4回日本ロボットシンポジウム予稿集. 161-166 (1994)
-
[Publications] Z.Wang,E.Nakano,T.Matsukawa: "Cooperating Multiple Behavior-Based Robots for Object Manipulation-System and Cooperation Strategy-" Distributed Autonomous Robotic Systems,Springer-Verlag Press. 371-382 (1994)
-
[Publications] Z.Wang,E.Nakano,T.Matsukawa: "Cooperating Multiple Behavior-Based Robots for Object Manipulation" IEEE/RSJ/GI Int.Conf.on Intelligent Robots and Systems. 3. 1524-1531 (1994)
-
[Publications] Z.Wang,E.Nakano,T.Matsukawa: "A Multiple Behavior-Based Robots System for Cooperative Object Manipulation" 計測自動制御学会東北支部創立30周年記念学術講演会予稿集. 203-204 (1994)
-
[Publications] 松本直之,松川卓二,中野栄二: "光学系のパラメータを用いた三次元環境情報処理の一手法" 第12回ロボット学会学術講演会予稿集. 3. 1111-1112 (1994)