1994 Fiscal Year Annual Research Report
先進安全車(ASV)における危険回避系の最適構成と安全性評価に関する研究
Project/Area Number |
06680398
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Research Institution | 東京商船大学 |
Principal Investigator |
佐藤 吉信 東京商船大学, 商船学部・交通電子制御工学講座, 教授 (60242319)
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Keywords | 先進安全車 / ASV / 危険回避系 / 安全性評価 / リスク解析 / 最適システム構成 / 社会的コスト / フェール・セーフ・システム |
Research Abstract |
先進安全車の危険回避系は、故障や異常が発生してもシステム全体の安全性を損なわないように構成する必要がある。このようなシステム構成は、フェール・セーフ・システム機構およびフェール・オペラブル・システム機構によって実現される。本研究では、先進安全車の危険回避系についてフェール・セーフ・システム機構とフェール・オペラブル・システム機構の最適構成問題について理論解析を行い、さらにシステムの残存リスクを推定する。これにより、現状の自動車のリスクと先進安全車の残存リスクを比較し社会的コストの低減を予測することを目的としている。 本年度では、以下の研究を行った。 1.自動車のヒューマン・エラーによる事故の同定:これまで発生した自動車による事故事例を収集し、それらの事故シナリオのA-Cモデル変換を行い次のステップの前段階とした。 2.先進安全車の危険回避系のフェール・セーフ・システムおよびフェール・オペラブル・システム基本構成:事故シナリオのA-Cモデル変換から、危険回避系の概念設計をA-Cモデルで行い、危険回避系において各種の故障や異常に対してフェール・セーフ・システムとフェール・オペラブル・システムの適用範囲を明らかにした。 3.システム最適構成のための理論解析:フォールト・ツリー・アナリシスによりフェール・セーフあるいはフェール・オペラブルとならない故障・異常モードのシステムへの影響を明らかにした。 4.最適構成決定のためのアルゴリズムの導出:研究計画(3)の実施階段で、システムの動的性質が強く影響するため、従来のフォールト・アナリシスの方法では非常に複雑な解析となることがわかった。そこで、動的システムにも容易に対応できる解析方法の必要性が生じ、A-Cモデル構造関数法の開発に着手した。現在、この手法の基本的枠組みが完成し、研究計画(4)の実施をフォールト・ツリー・アナリシスによる方法とあわせて遂行中である。
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Research Products
(1 results)