1994 Fiscal Year Annual Research Report
大規模小売店舗火災における避難行動と防災システムに関する研究
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06680403
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
岸田 孝弥 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (00106262)
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Keywords | 大規模小売店舗火災 / 避難行動 / 防災システム / 安全人間工学 / 防災設備 / 防災訓練 / 火災経験 |
Research Abstract |
今日、わが国の大規模小売店舗(以下、大店舗)においては過去の火災事故を教訓に導入された「適」マーク制度に基づき、年に2回以上の防災訓練が義務づけられているが、制度の主眼は防災設備の整備にあり、防災訓練などの内容についてはほとんど評価されていないのが実状である。平成2年に起きた長崎屋・尼崎店火災は従来とは異なり、意外にも内部事情に通じているはずの従業員に被災者が多く出た事故となった。詳細に分析してみると、同店ではパート・アルバイト社員を多く雇用しており、その被災者もパート社員であると確認された。実際、スーパーマーケット型の大店舗ではパート社員の雇用が進んでおり、売場での役割は正社員並に担っているが、防災となると訓練の参加機会が得られないなど、属性の違いが防災意識の違いにも反映される可能性が高い。 その検証として大店舗従業員を対象に防災意識に関する質問紙調査(群馬県高崎市内6店舗、配布総数1620部、回収率59.0%)を行った結果、職種以外の諸属性においても思った程防災意識が高くないことが示された。即ち、消化器・消火栓・避難用はしご・緊急避難口等の防災設備についてその設置場所と使用方法の熟練度を問う設問ではほぼ全体的に男性>女性、火災体験保持者>非保持者、正社員>パート・アルバイト、訓練経験保持者>非保持者、役割担当者>非担当者との傾向が有意であったが、設備の個数をクロスさせてみると、場所については3設備以上知っている者が7割近いのに比して、使用となると1割強となり、火気使用者についてはその他の従業員と差がみられなかったことは、逆に意識の低さが問題であると言える。本研究ではこれらの結果を基に、特に意識の低い要件を従業員自身が確認でき、意識向上を図るための指標となるチェックリストの提案を目標とするものである。 今年度はこの外、熊本市消防局の協力を得て株式会社鶴屋(デパート)、城屋ダイエ-、ニコニコ堂武蔵ケ丘店、熊本岩田屋、サンリブ健軍店、中津丸食サンリブシティくまなん店等の9店舗でも調査を実施し、現在分析を進めている。
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