1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06680411
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
村田 英人 金沢工業大学, 工学部, 教授 (10031080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 宏明 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90011056)
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Keywords | 自然エネルギー / 新社会システム / ヒートパイプ / 冷房システム / 融雪システム / 河川水 / ダム湖水 |
Research Abstract |
1.河川水の冷熱を利用した冷房システムの可能性を検討するデータを得るために金沢市東南部に位置する内川ダムの水を農業用水として市街地に流している長坂用水をとりあげた。用水に包蔵されるエクセルギー量を見積もるために以下の測定と解析を実施した。 (1)夏期の河川水の水温と流量の測定を上流から5ヶ所の地点(区間全長3km)で3昼夜連続で2回(7/27-7/29および8/21-8/24)測定した。 (2)上記の測定によって夏期には上流側3地点では昼間の平均気温28℃に対して水温は比較的低く、20±1℃に保たれていることがわかった。さらに測定結果を説明するための熱輸送モデル式を作り、内川用水の温度上昇の解析を行った。 (3)一例として特定の地点をとりあげて放熱コイルにポンプアップされた長坂用水の冷水を流し、ファンで冷風を作る方式の冷房装置(ファンコイルユニットFCU)を使用して冷房する場合の設備費と運転費について上記の熱輸送モデルによって解析した。結論として通常のクーラーによる冷房と比較してランニングコストはFCUの方が1時間当たり約15円安くなることがわかった。 2.冬期の内川ダムに存在する8℃程度の温熱をヒートパイプによって取り出して融雪に利用する実験を1994.12月から1995.4月まで実施した。得られたデータを気象台の観測データと対照させながら解析し、熱輸送モデルを作り、融雪がおこっていることを確認した。 3.冬期に金沢工業大学のプールや暖房用スチーム配管および下水槽の温熱をヒートパイプによって取り出して融雪に利用する測定実験を実施した。 4.ソーラーパネルを利用した融雪装置を試作して融雪実験を行い、可能性と問題点を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Wakabayashi,H.Murata: "Exergy Contents within a Dam Lake as a Seasonal Solar Energy Storage" International J.of Solar Energy. (in printing). (1995)
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[Publications] 若林宏明、村田英人: "長坂用水(石川県金沢市)の地域冷房利用に関する基礎的研究 平成6年度文部省科学研究費・一般研究(C)研究成果(一部)" 金沢工業大学経営工学科06680411、KITIW-R-0007、平成7年3月. (1995)
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[Publications] 若林宏明、村田英人: "自然エネルギーによる融雪に関する基礎的研究 平成6年度文部省科学研究費・一般研究(C) 研究成果(一部)" 金沢工業大学経営工学科06680411、KITIW-R-0008、平成7年3月. (1995)
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[Publications] 若林宏明、村田英人、西島恵一: "季節蓄熱型ソーラーエネルギー利用地域社会システムの設計に関する基礎的研究" 金沢工業大学研究紀要. No.34・35. 11-18 (1994)
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[Publications] 佐々木論、山田真生、坂本貴之、倉林宏行、五十嵐哲也、杉浦雅人、若林宏明、村田英人: "ダム湖水季節蓄熱利用システムの広域モデル化" 金沢工業大学研究紀要. No.34・35. 19-26 (1994)
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[Publications] H.Wakabayashi,H.Murata: "Energy Tapping from Thermocline of Dam Lake" International Symposium “North Pacific:Hydrometeorology,Environment Protection and Geography (held at Far Eastern State University at Vladivostok. 講演のみ. (1994)