1994 Fiscal Year Annual Research Report
補修用部品の価格低減による工業製品使い捨て抑制実現化の研究
Project/Area Number |
06680412
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
今澤 明男 金沢工業大学, 工学部, 講師 (20148141)
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Keywords | 補修用部品 / 部品価格 / 修理 / 使い捨て / 部品共通化 / 生産計画 / 在庫金利 / 法人税 |
Research Abstract |
工業製品の補修用部品製造・供給に関するメーカーの費用を削減するとともに,ユーザーが支払う補修用部品購入代金を引き下げ,両者にとって工業製品を修理して使うことが経済的に有利となる仕組みを社会システムの中に組み込み,工業製品の使い捨てを抑制することが本研究の目的であるが,本年度は下記の2方策について検討した. 1.非現流部品の企業間の共有 技術的に成熟した製品では,一般にメーカー間での製品差異が小さい.したがって,共通に使用できる部品や若干の変更を加えれば共通に使える部品が多くある.そこで,これらを企業間で共有することにより,製造や保管や輸送のコストを削減することが考えられる.これについて,1)自動車,カメラ,事務器等を主対象に,共有が容易な部品の要件を明確化するとともに,2)そのような部品を共有化した場合の経済的効果について,モデルの解析等を通じて定量的に明らかにし,3)共有化の効果が大きい部品の要件を明らかにした. 2.補修用部品代金の前払い制 将来の補修のための部品の代金の一部を,製品の販売時点で購入者より徴収し,そのかわり実際の補修の際に補修用部品を低価格で供給して,ユーザーが「使い捨て」より「補修」を選択するようインセンティヴを与える方法が考えられる.一方,企業の資金繰りにかかる資本の利率は,家計の資金運用の利率より一般には遙かに高い.したがって,上記の案を実施すると,その金利差分だけ補修用部品に関するいわゆる在庫金利が減少し,企業の負担が減るとともに,総体としてはより低価格で補修用部品を提供できることが期待される.これについて,1)モデルを作成し,それの解析ならびにシミュレーション等を通じて経済的効果を明らかにするとともに,2)その結果をもとに補修用部品代金の前払分の妥当な算出方法を提案し,検討を加えた.
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