1995 Fiscal Year Annual Research Report
日本的生産方式におけるFA化が労働組織と労働負担・産業ストレスに及ぼす影響
Project/Area Number |
06680413
|
Research Institution | DOSHISHA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
千田 忠男 同志社大学, 文学部, 教授 (60086577)
|
Keywords | FA化 / CIM / 日本的生産方式 / 労働組織 / 労働負担 / 産業ストレス |
Research Abstract |
日本的生産方式のもとで、FA化/CIM化が進められている典型と考えられる工場の従業員6名から、CIM化の技術的条件、労働内容の変化、労働組織の変化、労働負担・産業ストレスの状況について聞き取りを行った。また、FA化/CIM化による製造が進められていないところでCIM化の基礎となるFA化製品を製造する工場で、一回のグループ聞き取りを行った。あわせて、FA化/CIM化における労働内容の変化と労働負担に関する理論的考察を行った。最後に、二カ年の調査研究のまとめを行った。その結果の概要は次の通りである。 [1]FA化/CIM化の技術的変化を追跡し、CIM工場革命と称するにふさわしい変化が生じていることを指摘した。 [2]CIM工場革命による労働内容の変化は、人間の自然的限界を大きく打開する意義を持ち、記帳、計算、通信、判断、推論、意思決定などの作業課題がコンピュータ技術の支援により遂行されていることを明らかにした。 [3]労働組織の変化を追跡し、定型的作業と判断・意志決定作業を区分する境界が変化したことを指摘した。 [4]労働負担が大幅に軽減されうる可能性が生じたが、現代的労働負担が新たに生じる危険性が見られること、労働組織の再編成に伴い多彩な産業ストレスが生じる危険性が見られることを指摘した。中高年齢者がこの技術革新に適応し、新しい能力を修得する過程に対して有効な援助がおこわなわれることが求められている、と結論づけた。
|